No.118

未知のものでも、飛び込んでみたら楽しい

内藤賢一

(神大モダン・ドンチキ メンバー)

Presented by Naho Takamochi, Shiguma Inoue

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聞いたことはあるけど実態がよくわからない全国でも有数のちんどんサークル、神大モダン・ドンチキ。そもそもちんどんとは何なのか、どんな活動をしているのか、どんな人がいるのか、全て解明します。これを読めばちんどんに魅力を感じること間違いなし!

PROFILE

内藤賢一

神大生の知らない、ちんどんの世界

-神大モダン・ドンチキとはどんなサークルですか?


阪神淡路大震災をきっかけに、地域の人と神大生が協力して子供を元気づけることを目的として開催していたライブが前身です。それがちんどん屋という形になって、2000年に正式にちんどんサークルとして発足しました。
ちんどん屋というのは、江戸時代に始まった宣伝業の一種です。着物や化粧などで派手な格好をして楽器を鳴らし、人目を引くことで宣伝するというもので、昔も今も宣伝が主な目的となっています。
ちなみにモダン・ドンチキの名前の由来は定かではないのですが、今もプロで活動している初代の方が一晩で考えたと聞いたことがあります。要はただの思いつきだと思います(笑)。その初代の方は内野さんという方で、大阪にあるちんどん屋『ちんどん通信社』のメンバーを務めていらっしゃいます。

-具体的にはどのような活動を行っているのですか?


活動はボランティアに近く、主に福祉施設や地域のお祭りでのステージパフォーマンスや会場内でのにぎやかし、会場外に出ての宣伝周りなどがあります。また年2回全国からプロアマ問わず集まる「チンドンコンクール」にもサークルの活動の一環として参加しています。春から夏前までがオフシーズンで、夏はお祭り、秋は敬老のシーズン、冬は新年の餅つき会など、春以外の依頼は少なくないです。ありがたいことに色々な団体から依頼を頂いており、普段はそれらの依頼による活動がほとんどです。ブログにも活動を随時載せていますが、月に平均して4,5回はイベントに参加しています。3回生の冬までが現役としての活動期間で、平日に週2回、和気あいあいと練習しています。イベントごとにチームを組むので、そのチームで観客に合わせた曲選や演奏の仕方を1,2週間かけてしっかり話します。

-どんな歌を演奏しているのですか?


福祉施設に行くときは特になのですが、昭和歌謡が多いです。高齢者と言っても年代によって流行りの歌は違うので年齢層をしっかり考えています。例えば昭和歌謡で有名なのはリンゴの唄とか、美空ひばりの真っ赤な太陽とか、東京キッドとか・・・ってわからないですよね(笑)。子ども向けのイベントの際はジブリやアニメなどの歌を選びます。今の子どもの歌は多様なので、何を演奏するか決めるのかは難しいです。この前はDA PUMPのUSAをリクエストされました。
どんな歌でもちんどん太鼓があればちんどん風になるので、幅広い歌を演奏します。

-ちんどんの魅力は何ですか?


一方的な活動になってしまうのではなく、すぐにリアクションを見れることですね。音楽を使う活動の中で、ちんどんが一番観客の方々と密に関わることができると思っています。
柔軟性のある音楽なのでリクエストにすぐ応えられたり、衣装やメイクで普段と違う自分になって、ぶわっとしゃべれたり、普段と違うことをできるのも魅力です。
ちんどんに求められているのはもともと宣伝力なので、演奏が下手でもお客様を楽しませることができたら十分なんです。

-衣装、メイクのこだわりはありますか?


あります。洋服の人よりも着物の人の方が多い会場でも見栄えのするものでないといけないので、衣装やメイクについて時間をかけて話し合いをします。季節に合わせた柄を選ぶなどの工夫をすることもあります。着物は、サークルに寄贈されたものや安価で販売されるリサイクルの着物があるので種類に困ることはないですね。メイクは原則自分で行っていて、こだわりを持っているメンバーもいます。子供相手のイベントではタレ目のメイクにしたり、舞台と客席との距離が長い場合にはメイクを派手にしたりと場面によって使い分けています。

-演奏する際に心がけてることはありますか?


演奏は歩きながら行うのがほとんどで、いろいろなことを考えつつ演奏しています。楽器によって心がけてることは違うと思うのですが、僕は先頭のちんどん太鼓を叩く役割なので、全体に指示を出したり、どこで止まろうかを考えたりしています。宣伝がメインの場合はどんな宣伝文句を言うか、どんな人に声をかけるかということまで考えます。また、歩き方にもこだわりがあって、ただすたすた歩くだけでは普通の楽隊と変わらないと思っているので、短い区間でもいかに時間をかけて歩けるか、蛇行したりしていかに人目を引けるか、衣装の見栄えが良くなるようにどう歩けば良いかなどをプロの方に教わったことを参考に考えています。その方は大阪の「ちんどん通信社」の代表である林幸治郎さんといって、月1で教室を開催してくれてるので、そこで勉強します。林さんは40年ぐらいちんどんをやっている、大阪のちんどん屋といえばこの人という大ベテランなので、経験量が違いすぎてなかなか教えてもらったことを理解するのが難しいです(笑)。


稲葉滉星

(神戸大学持続的災害支援プロジェクトKonti代表)

自分たちに出来るのは、人に寄り添うこと


河上 隼己

(ESSディスカッション全国大会2位)

後悔しないように続けることがエピソードを作る


吉岡詩織

(“よしおカフェ”店長)

私にとっての強みが、たまたま料理だったっていうだけ


山村玲央

(批評誌『夜航』執筆・編集メンバー/国際文化学部5回生)

神大生、もっと俺たちと普通に話そうぜ。


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