神戸大学の学園祭、六甲祭。数々のイベント、200近くもの模擬店、4万人を超える来場者の規模を誇る。このお祭りの運営を担っているのが六甲祭実行委員会、通称「六実」だ。六甲祭を間近に控え、六実の委員長が今、想うこととは。
PROFILE
藤中良太
六実は"六甲祭の日"だけじゃない
-六甲祭実行委員会(以下:六実)は、普段はどのような活動をしているんですか?
基本的には毎週土曜日に会議を行っています。六甲祭がまだ先の時期、「六実って何してるの?」と聞かれることが多いのですが、六実は毎年1月から、その年の六甲祭に向けて新体制での活動を始めます。5月からは新入生が入ってきて1~3回生が揃うのですが、それまでの1~4月は新2,3回生だけで去年の反省を踏まえつつ、今年一年間の方針を決める時期になっています。4月から7月末までは六甲祭で行う企画を立案して準備します。そして8月からはそれぞれ担当に分かれて制作物を作り始め、9月からは当日どう動くか、シミュレーションを行っていきます。六甲祭が近づいてくるほどだんだん忙しくなってきます。10月になると常に部室に人がたくさんいて、がやがやしていますね(笑)
-六実の六甲祭当日や前日の活動について教えてください。
実は、土日に行われる六甲祭の準備はその週の水曜日から始まります。準備はテントを立ち上げたり、ステージを設営したり、装飾を設置したり等です。前日は六実にとって体力勝負の日で、とにかく働けって感じですね(笑)
六甲祭の間の六実のことはみなさん見てくださっていると思うんですが、六甲祭が終わってからも六実は動き続けています。日曜日の後片付けは時間との戦いで、「どこが遅れたら、どこの人を動かす」などということまであらかじめ綿密に話し合った上で動いています。月曜日からは通常通り授業があるので、日曜日には必ず片付け終わらなければならないんです。それも含めて当日は本当に忙しいです。でも、当日はもう忙しさよりも「とにかく楽しい!」って想いが強いです。六甲祭が何よりも楽しいから一年間頑張っているんですよね。
-藤中さんの委員長になられるまでの活動について教えてください。
六実は僕が務める委員長の他に副委員長、ミスコンやプロコンサートを行う屋外企画局、講演会やお笑いグランプリなどを行う室内企画局、模擬店を管理する模擬店局、情報宣伝などを行う広報局、会計や警備などを行う総務局の5つの局に分かれています。僕は去年まで屋外企画局に所属して、特に巨大迷路という企画に2年間携わってきました。1回生の時はがっつり関わらせてもらって、上回生のサポートもあってすごく楽しい思いをしました。それで六実が好きになったし、自分たちで考えることで個人的にも成長できたんですよね。それから2回生になって「何をしようかな」と考えたときに、こんな経験を次の1回生にも味わってほしいと思い、もう1年企画に関わることにしました。2回生になってからは、1回生にどこまで手助けをしてどこまで見守ればいいのかっていうところで悩んでいましたね。
-委員長とはどういうお仕事ですか?
委員長は学校とのやりとりを行ったり、問題が起こるたびに対処法を考えたりということをするのですが、正直これという決まった仕事がないんですね。ただ、僕は「六実の扇の要になりたい」と思って活動しています。これは最初の委員長演説のときから言っていることで、要がなかったら扇は全部ばらばらになっちゃいますよね。僕がみんなを繋ぎとめる存在になりたいんです。周りを見渡して困ったことがあれば助けるし、みんなの要望を叶えられたらいいなと思います。委員長としてみんなが気持ちよく活動するための潤滑油になれたらと考えています。「良太が委員長でよかった」と声を掛けられると、本当にやりがいを感じます。
-いつ頃から委員長になるということを意識し始めましたか?
1回生の頃は何も分からない状態で六甲祭を迎えて、自分の仕事で手一杯になっていました。でも2回生になると余裕ができて、去年の六甲祭が終わったあとに、「六実の周りのみんなはどんな活動をしているのかな?」と見渡してみたんです。そこで改めて六実ってすごい組織だと思って。六実の全部の活動が成り立った上で、六甲祭という一つの祭りができているんだなと実感したんですね。それから、せっかくなら六実全体を知ってみたいし、どういう風に六甲祭ができているのかを一から自分の目で見てみたいと思って委員長を務めることを考え始めました。
-委員長になって改めて意識していることはありますか?
委員長って普段何をしているのか周りの人から見ると分かりづらいので、どうしても遠い存在のようになってしまいがちなんですよね。だけど僕自身はそう思われないようにしたくて、親しみやすい委員長になれるように心がけています。なかなか他の局と仕事をすることがないので、その分みんなと話がしたいと思っています。そこは委員長として意識するようになりましたね。理想はちょっとした悩みを気軽に打ち明けてもらえるような存在です。
それから僕は1,2回生とも企画に携わってきて、その経験は誰にも負けていないので、企画の力で六甲祭をもっと盛り上げようと意識しています。今年の企画担当者には、特に自分にしかできないことを意識してもらっていますね。去年の企画をそのまま真似るのは誰にでもできることですが、例年やっている企画でも「よりパワーアップさせるために自分なら何ができるのか」という意識を持って取り組んだ方が企画自体の質も上がりますし、企画担当者も楽しめると思うんです。自分が企画を作っているときに感じていたワクワク感を、みんなにも感じてほしいです。毎年開催される六甲祭ですが、今年のメンバーでできる最初で最後の六甲祭なので、今年しかできない六甲祭を作り上げたいなという想いは強いです。
-委員長として達成したいことはありますか?
六実のみんなに六甲祭当日をとにかく楽しんでほしいですね。自分の働きによってみんなが楽しんでくれてるのであれば、それが一番のモチベーションです。汚れ役は全然こっちがやるので、特に初めて六甲祭を運営することになる1回生には「六甲祭がこんなに楽しいものなんだよ」って伝えたいです。僕は1回生の時、上回生に助けてもらって「めちゃめちゃ六甲祭って楽しい!」と思わせてもらったので、そういう思いをみんなにもしてもらえるように頑張りたいですね。
-六甲祭を運営するにあたって力を入れていることを教えてください。
神大生にとって六甲祭は自分たちの学園祭で、それぞれ模擬店を出したり、部活・サークルで発表したりと普段の活動の成果を発表できる場です。そういう場を提供するのが僕たちの役割でもあるんですが、外部の幅広い年齢層の方にも楽しんでいただける六甲祭にしようと心がけています。お子様には巨大迷路やお化け屋敷などの楽しめる企画がありますし、大人の方は講演会など、ご年配の方は学生のエネルギッシュさで楽しんでいただけると思います。なかなか近所の方に大学生と繋がっていただける機会、大学生の活動を知っていただける機会はないと思うので、そんな部分にも力を入れています。
-神大生へひとこと、お願いします。
六甲祭の運営は僕たち六甲祭実行委員会がやっているのですが、六甲祭を作り上げるには僕たちだけではなくて神大生の力が必要です。一緒に六甲祭を盛り上げていきたいので、まずはそのためにもぜひ六甲祭に来ていただいて、神大の学生活動の素晴らしさをお互い分かち合ったり、外部の方に伝えたりして“神大生の力”で六甲祭を活性化できたらなと思います!
六甲祭HP
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