9月2日からの三日間、ハーバーランドと垂水で開催される「神戸よさこいまつり」。今回は、この祭りの実行委員長を務める文学部三回河本さんの情熱に迫ります。今あなたは、「わけわからないくらい」楽しいことをしていますか?
PROFILE
河本 真夕(かわもと まゆ)
よさこいって、わけわからないくらい楽しい!
-まず、よさこいについてあまり知らない人のためによさこいの発祥を教えてほしいです!
高知県の商工会の人が戦後復興のために始めたものです。隣県である徳島の阿波踊りに対抗しているんですよ(笑)私たちが持って踊る鳴子も、もともとは害鳥駆除の道具だったそうです。この踊りが北海道のソーラン節と混ざってできたのが「よさこいソーラン」で、それを大学生がサークル活動としてやり始めたんです。神大で山美鼓や湊がやってるような迫力のある踊りは、大学よさこい特有のもので、地域のおじいちゃんおばあちゃんやファミリー層は盆踊りのように列になってよさこいを踊ることがポピュラーですね。最近はロックとかポップミュージックなどの曲も使われていて、小さい子供たちもよく踊っています。こんな風によさこいには色々なタイプがあるので、何歳になってもできるんですよね。
-よさこいの好きなところはどこですか?
色んな大学の人と仲良くなれるところです。それぞれのお祭りが主催する学生交流会もあるし、他チームの人にそのチームの振り付けを教えてもらえる機会もあります。振り付けを教えてもらった人とはとても仲良くなれるんです。他チームとよさこいの練習をしたときに、私の実家の斜め前に住んでる子に偶然出会ったこともあって、「こんなことある!?」って思ったこともありました(笑)
-私の純粋な疑問なんですけど、よさこいしてる人ってなんであんなに笑顔なんですか?
本番は、自分たちがただ楽しいからニコニコしてしまうんです。お客さんに笑顔を届けるために意識して笑ってるわけじゃなくて、お客さんが自分たちの目の前にいるだけで笑顔になってしまいます。一番最初に「よろしくおねがいします!」って言うその瞬間からもう楽しい。お客さんに楽しんでもらうためにはまず自分たちが120%楽しんで、その余った元気をお客さんに届けるくらいの気持ちで踊っています。本番中って、わけわからないくらい楽しいんです!
-練習からそんなに盛り上がっているんですか?
練習からいつもガヤが飛び交って盛り上がっています。練習は前に立つ人の「おはようございま~す!」って言う呼びかけに、「よろしくおねがいしま~すっ!」ってレスポンスして始まります。私が所属している山美鼓では上下関係がないので、先輩が「~してください!」って言っても「はーい、わかった~!」「う~ん!」って返事しています。一回生は始めは緊張してて「ハイッ!(小声)」って返事してるけど、「『うん』でいいから!」って逆に先輩に怒られるんですよ。こんなにフランクでも、神大のチームは大人しいほうなんですけどね(笑)
-神戸よさこい祭りのことを詳しく教えてください。
神戸よさこい祭りはロケーションの良さもあって、参加チームが多いお祭りです。今年は119チーム出場して、一日で4000人、三日間で12000人の踊り子が参加します。東京や島根からも参加してくれるんですよ!
-今年の神戸よさこい祭りはどんなお祭りにしたいですか?
今年の祭りのコンセプト『ツムグ―あなた×◯◯』という言葉の通り、参加者や観客が互いに強く繋がる祭りにしたいです。そして、今年17回目になる神戸よさこい祭りをもっと神戸に浸透させて、「神戸の人と強く結びついたお祭りにしたい」という運営メンバーで決めた裏コンセプトもあるんです。そのために、神大をはじめとする大学生との関係づくりをしたり、神戸の街について知ってもらうために阪神淡路大震災にまつわる企画の考案に取り組んだりしています。神戸よさこい祭りは一日目がハーバーランド開催で、二日目が垂水開催です。垂水では地域の祭りとして認識してもらっていて十分盛り上がっているのですが、ハーバーランドは正直まだまだ盛り上がれると思うんです。ハーバーランド会場は、住民の参加が多くないからこそ学生の熱気を直接感じられる熱い踊りを見ることができるので、学生のみなさんには是非ハーバーランドに来てほしいです。
-河本さんが実行委員長をしようと思ったのはなぜですか?
神戸よさこい祭りの実行委員や実行委員長はずっと山美鼓のメンバーがやっているのですが、そういう先輩たちの姿を見て私もやってみたいと思ったからです。「今年は誰がやる?」ってなったときに、外部に出て行って他チームと交流していくのが得意な私が適任だと思いました。あと、11月の引退まで当時のまま続けていては「よさこい楽しかったな」というだけで自分の大学生活が終わってしまうような気がしたからです。そんな大学生活は嫌だし、「よさこい頑張った」って言いたいと思ったんです。
-河本さんはこれまでにも山美鼓の幹部やリーダーをしてこられたんですか?
幹部やリーダーは一度もしてきませんでした。メンバーに指摘できる人が全員幹部になってしまうと、山美鼓の100人くらいのメンバーを内部から見れなくなると思ったんです。私はしんどそうなメンバーを絶対見放したくないと思って、そのために外からではなく中から見て指摘した方がいいと思ってずっとメンバーであり続けていました。
-サークル生活最後に実行委員長をやってよかったと思いますか?
はい。まだ本番を迎えてないですが、既にやりがいを感じています。実行委員長として一つの祭りがどうやって作られていくか見渡せることが面白いし、観客動員数万人の祭りを自分が作っていると思うと、祭りの当日が楽しみで仕方ないんです。大変なときもありますが、「神戸よさこい楽しみ」「神戸よさこいに向けて練習中!」っていう参加チームの声を聞いて精一杯頑張っています。
-読者に神戸よさこい祭りの見どころを教えてください。
一日目の最後にハーバーランドのテラスで行われる「代表南中」という踊りです。各参加チームから代表の三人が参加して、一番スタンダードなよさこい「南中ソーラン」(※『よっこいしょー!よっこいしょー!』と叫ぶ定番の曲)を踊ります。体育祭などで踊ったことのある方も多いと思いますが、よさこいチームの代表だけが集まった迫力のある南中ソーランなのでおすすめです。もう一つ見てほしいのは、2日目フィナーレの山美鼓合同演舞です。総勢200人くらいで山美鼓の初代の曲「ダンスダンス」を踊ります。毎年の定番ですが、小さな子供から大人までが一緒に踊るフィナーレにふさわしい踊りです。
-最後に、神大生に一言お願いします。
感動させる自信があります!!!
見に来て損はさせないので、是非9月の2,3,4日の神戸よさこい祭りに来てください!