No.68

腹減ったら食べにおいで

とに

("ラーメン荘 歴史を刻め 六甲道"店主)

Presented by Shunsuke Ueyama
Oka Chizuru

Photo by Nami Yoshida


今夜も、お腹を空かせた若者で行列ができる『ラーメン荘 歴史を刻め 六甲道』。同店の下新庄本店で2年半の修業を積んだ“とに”さんが店主のこのお店は、2月に開店一周年を迎えた。たった1年間でこれほどまでにお客さんや神大生に愛されるようになった背景には、お世話になった社長の存在があった。

PROFILE

とに

「楽しんだもん勝ち」社長の言葉を大切に

-一周年、おめでとうございます。開店してからこれまで、どうでしたか?


実は最初、六甲道にお店を出すことに会社の反応は良くなかったんです。それは西宮に“歴史を刻め(以下、歴史)”と同じ“ラーメン荘”グループのお店があるからなんですけどね。やっぱりうちのラーメンは大盛りなんで、学生さんとか若い子にウケるっていうのは思ってて。それで大学を地図上で探して学生の数とかも考えた上で、神大生に来てほしいっていう結論になりました。
あと、学生の時から神戸に住んでいるので、やはり思い入れのある地に出したいなっていうのもありましたね。結局は自分の想いを貫いて開店できたんですけど、やっぱりどうなるか分からなくて期待と不安が入り混じっていました。蓋を開けてみたらお客さんがいっぱい来てくれてよかったんですけどね。今でも下新庄時代からの常連の方が来てくれることもあります。一年間やってきて、来店してくれるお客さんも徐々に増えてきたのでありがたいです。

-どうしてラーメン屋さんになられたんですか?


ラーメン屋の前はDTPデザイナーやったり、マッサージ店で働いたりしてたんですけど、転職を考えた時に「好きなことの方が続けれるやろなぁ」ってことでラーメン屋で働くことにしました。元々、趣味程度に家でスープを炊いたり麺を作ったりしていたんでね。
それで最初の半年くらいは別のラーメン屋さんで働いていて、それからうちの社長に誘ってもらって歴史で働くことになりました。やっぱり歴史のラーメンが好きやったから。でも誘われる前は「自分の一番好きで一番よく通ってるところやから、客のままでいたい」っていう気持ちが心のどこかにあって、少し避けていた部分もありました。それぐらい特別なお店でしたね。

-今、お仕事は楽しいですか?


立ちっぱなしで大変なことも多い仕事ですけど、やっぱり毎日お客さんと喋るのは楽しいです。僕は飽き性なんですけど、この仕事は飽きひんかなって思います。うちの店ではフランクにお客さんと話すようにしてて、そうしたら自分も楽しいし、お客さんも楽しんでくれはるやろなぁと思ってそうしています。
自分が楽しむことが大事やっていうのを社長がずっと言ってて。会社の理念が「楽しいやりたいねん」っていうただその一言だけなんですよ。「何でも楽しんだもん勝ちやし、楽しまんとしんどいだけやし」って考えを持っている社長なので。

-確かにお客さんとの距離が近いなと感じます!


たまに学生さんとかが話してる中に急に割り込んで話しにいったりとかしますね(笑)例えば、5人で来店したとき、最後のお客さんのラーメンが出るまでみんな待ってるでしょ?そしたら出し終わったときに「はい皆さん手を合わせて、いただきまーす!」ってやったら「いただきまーす!」ってしてくれるんです(笑)そういうのも面白いなぁと思って。
それもやっぱりうちの社長の影響はあるのかなぁと思います。僕が下新庄に通ってた頃も、何か言ったら面白く返してくれていました。そんな社長の「人とのコミュニケーションの最初は挨拶やから、挨拶せんと何も始まらない」っていう教えがあるので、うちは挨拶に力を入れていますね。

-社長さんの影響が大きいんですね。


そうですね。いつかは超えてやりたいと思うけど、やっぱり未だに超えられない存在ですね。超える自信もまだないです。ついこの前、茨木にある“ラーメン荘”のお店での仕込みの見学に行って、そこで社長が2年ぶりぐらいにラーメン作ったんですけど、手際もすごいしやっぱ違うなぁって思いました。

-神大生との印象に残ってるエピソードはありますか?


オープンして3,4日間の神大生だらけだった時ですかね。別々に入ってきたお客さん同士で「おう!」って挨拶したり、カウンターの端と端で会話が始まるぐらい神大生が多かったです。告知はTwitterぐらいでしかしてなかったんですけど、後から聞いたら結構話題になってたみたいです。だから、最初はホッとしました。
神大生はほんまにみんないいお客さんやなぁって思いますね。無理言うこともないし、ちょっとお願いしたらすんなり「いいですよ」って言ってくれたりね。昨日もバイトの人たちと飲んでたんですけど、「ほんまにええお客さんばっかりで恵まれてるね」っていう話をしてたんです。

-それもやっぱりみんな、とにさんのラーメンが好きやからですよね。


そうやと嬉しいですね。昨日もヨット部の子が試合の前日に食べに来てくれて、「やっぱここのラーメンが一番っすわ」と言ってくれました。「ここ以外どっか食べるの?」って聞いたら「いや、行かないです」って。それじゃあ他店と比べられへんやんって笑ってたんですけどね(笑)


片山 孝章

(ニュースネット委員会前編集長)

ほんのわずかでも人を動かす事=”伝える”だと思う


山本歩

(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン マーケティングコミュニケーション部 部長)

USJでみんなを元気にしたい


稲葉滉星

(神戸大学持続的災害支援プロジェクトKonti代表)

自分たちに出来るのは、人に寄り添うこと


宮下規久朗

(神戸大学文学部美術史学科教授)

まずは美術館に行くこと。知識があれば、もっと面白い。


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