「犯罪者を支援する弁護士」を夢に掲げる彼。
心と心で会話する“対話”は、相手の心の奥にあるものを引き出す。
夢の大切さを語る彼の背景には、WARLD LOGでの経験があった。
PROFILE
遠藤 龍
心と心で話すのが「対話」です
-WARLD LOGはどんな団体なのか教えてください
WORLDの間違いではありません!WARLDのWAには、「平和」の「和」、「対話」の「話」、「対話の輪を広げていきたい」という願いから「輪」、という三つの意味が込められています。そしてWARLD LOGという団体名は僕たちの開催しているイベントである「ワールドカフェ」と「ダイアログ(対話)」、「和」と「輪」これらすべてを体現する団体であろう、という自分たちの理念の表れでもあります。対話というものを通じて、今と未来をつくっていこう、というのをミッションにしています。実際にカウンセリングやマーケティングなどに対話を応用させたりして、いろんな目的を持っている人たちが対話で繋がっています。「ワールドカフェ」というイベントをだいたい週1回行っていて、そこで対話を実践しています。普通の「会話」は頭と頭で話をするイメージで、「対話」のイメージは心と心で話をするイメージなんです。
-今度、神戸でイベントを行うそうですね!
そうなんです。10月5日に元町でワールドカフェのイベントを開催します。テーマを「夢」にして、夢について対話します。夢を持つことってすごく大事なことだと思うんです。最近の大学生は今に流されてる人が多い気もします。夢を持てっていう風に押し付ける気はないけれど、夢を持つことの大事さに自分から気づいてほしい。そういう目的でこのイベントを開催します。夢に向かって邁進している社会人や神戸大生にゲストトークを実際にしてもらう予定です。
-遠藤さん自身の夢を教えてください!
僕は弁護士を目指していて、学外においても弁護士になるための勉強をしてきています。だけど、普通の弁護士ではなく犯罪加害者を支援する弁護士になりたいんです。犯罪者が更生し、社会に復帰する力になれるような。加害者に対する世間の目が間違っているな、と感じているんです。加害者の方は処罰しなければいけなくて、被害者の方は助けなければいけないというのは当たり前なんだけど、そういう固定化された考えは違うんじゃないかと。犯罪を犯した人が、風評被害のようなことを言われるのは少なくとも避けなければならないことです。今の日本は、犯罪者などの悪いことをした人たちを社会から追放するような傾向があるように感じています。現在では、社会にとって支援しなければならない対象は被害者のほうであるけれど、僕は逆に支援する対象を加害者のほうだと考えてアプローチしたいですね。
-そこからなぜWARLD LOGに所属しようとしたんですか?
今年のゴールデンウィークに東北ボランティアバスプロジェクトに参加してみて、いろんな人と触れ合う中で「弁護士になることがゴールではない」ということに気づいたんですね。当たり前のことですけど。ボラバスという外部の体験をすることで、このように気づくことがたくさんあったので、もっと外の世界に触れてみたいと感じるようになりました。それからFacebookで外部イベントを探して参加するみたいなことを繰り返していました。そうしているうちにWARLD LOGの主催しているイベントに辿り着いたんです。そこで「対話」することの面白さに気づきました。それがWARLD LOGとの出会いですね。
-「対話」について詳しく教えてください
先ほど、「会話」は頭と頭で話をし、「対話」は心と心で話をするイメージだと言いました。対話の技術はコーチングやカウンセリングで取り入れられているんですが、基本的に聴きの姿勢を取ることなんです。聴く姿勢をとることで、話し手の人は頭の中で考えて作った言葉ではなくて、心の奥に思っていることを自分から話すようになるんです。その人が話したことに対して適切な質問を投げかけて、その心の奥に考えていることを引き出す感じですね。例えば僕の夢は、犯罪者が更生して社会に復帰する助けになることですが、犯罪者に対して更生を促しても簡単には聞いてくれないだろうと思うんです。犯罪者に「社会にもどってやり直したい」と感じてもらうためには、犯罪者自らがそう考えるようにならないとダメだと思うんですね。そこで対話がそれを可能にしてくれるんじゃないかと。そう感じたこともあり、僕はWARLD LOGに所属しています。
-最後に、神大生へのメッセージを!
もっと外へ出てもいいんじゃないかなと思っています。神戸大学という枠にとらわれずに、外の世界に触れてみることで、必ず何かしらの転機が訪れると思うんです。大学生ってやっぱ自由だから、生活って自分が決めていくものなんだけど、周りに流されるのはいけないことだと思う。だからもっと外の世界を感じてほしいですね。外には凄いやつがほんとにたくさんいるんです!