No.129

創り、伝え、動かす。

遠藤教史

(BonbonROCKett店長)

Presented by Natsuki Watanabe, Ryota Asakur

Photo by Miho Oi


神大生なら一度は聞いたことがある、オリジナルのバターサンドで有名なBonbonROCKett。ワクワクするお菓子を作り続ける店長は、計り知れないほどのこだわりと情熱を抱く人物だった。

PROFILE

遠藤教史

ワクワクを創り、伝える。

-はじめに、お店の紹介をお願いします。


簡単に言うとバターサンド専門店です。基本的にはバターサンドしか置いていなくて、たくさんある中からお客さんに好きなものを選んでもらうためにフレーバーを20種類用意しています。 オープン当時は、バターサンド専門店でこれだけの種類を用意していたお店はなかったんです。今でこそバターサンドのお店は増えたけれど、それでも20種類と言うたくさんの種類のバターサンドを提供しているのはうちだけだと思います。

-店名のBonbonROCKettにはどういう思いが込められているのですか。


言葉自体というよりも、お店の雰囲気やどういう気持ちでお店をやっているのかを伝えたい、と思っています。 ただその中で唯一意味を込めたのが、ロゴでも大文字になっている「ROCK」の部分。相手の気持ちを揺り動かすという意味の「rock you」から、自分たちが何かを提案し作ることで、それを見た人に影響を与えるものを作り続ける人でいたい、そしてそういう店でありたいと思っています。

-バターサンドのこだわりはなんですか。


バターサンドの概念を変えた、今までにないバターサンドを0から作りたかったんです。新しいバターサンドの世界を提案する、みたいなことをやりたくて。そのために、クリームに一番こだわりました。 昔からあるバターサンドは、形は長方形で、中にはレーズン入りのバタークリームが入っていますよね。そしてクッキーが柔らかい。焼いた時はもちろん固いけど、クリームをサンドするとクッキーがクリームの水分を吸ってしまって柔らかくなるんです。だけどクッキーって本来はサクサクしたものじゃないですか。だったら、そのサクサクをそのまま残せないかと考えました。(BonbonROCKettのバターサンドは)クリームがすごく分厚いんです。バターの塊みたいだったらあんなに食べられないけど、見た目としてあれくらい厚みが欲しいと思っていて。クッキーがサクサクのまま、加えてバターに分厚さを持たせたまま、もたれない味にする。そのために、クリームの中にたくさんの空気を入れるんです。それによって、5日間はクッキーにクリームの水分が移行せずサクサクのままみんなに食べてもらうことができています。

-ほかの店に、これだけは負けないと自慢できることはありますか。


人が誰かにものをあげるときの瞬間をハッピーにするということ。これは店を作るとき初めに意識していたことです。 人間って、自分が食べておいしいと思う感情ももちろんあるけれど、誰かにものをあげて喜んでもらえた時のほうが嬉しいと思うんです。人にものをあげるシーンをうちの店が演出したい、と考えています。 まず、メインのものと贈り物は一緒にするべきだと思っています。というのは、普通のケーキ屋は、遠くに住んでいる人にあげたいと思ったとき、1日限りだからあげられない。代わりに焼き菓子をプレゼント用にしたりするけど、今自分がおいしいと思ったこのケーキを食べさせてあげたいじゃないですか。ただ生菓子だと美味しい分日持ちはしないから、うちは生菓子と焼き菓子の間、美味しくて且つプレゼントできるくらい日持ちがするものを作っています。 そして、プレゼントするその瞬間をどれだけハッピーにできるか。手提げ袋などのラッピングもその一つです。カッコつけたいじゃないですか、人にプレゼントをあげるときって。店側はプレゼントを持っていく人にカッコつくようにさせてあげないといけない、と思っています。

-ラッピングやお店のホームページなど、お菓子の味以外のところにもこだわるのはなぜですか。


ラッピングの包装、デザイン、ホームページのコンテンツなどはすべて、僕の代わりに店のことを伝えてくれる手段だと思っています。 お店をやっていく中で一番大切なのは「人に伝わること」なんです。うちのお菓子は美味しい、食べたらわかるということではない。たとえ中のバターサンドが美味しくても、パッケージとか袋がどういうものかということで見方が全然変わってくるんです。だからこそ、手提げ袋も包装もデザインにしても、作る側が慢心して手を抜いたら絶対にダメだと思っています。だから伝えることに本気にならないと絶対に伝わらないんです。 でも実際は、伝えようとしても伝わるまでが難しくて、自分が100%の気持ちで伝えようとしても50%伝わるかどうかだと思っています。 そしてうちはラッピングやホームページに力を入れることで、お店やバターサンドを作るということについてお客さんに伝えようとしています。例えば手提げとかって、機械で作れるものは安いんです。でもうちの手提げ袋は人の手じゃないと作れない。ホームページにしても、職人にとっては当たり前で分かり切ったことをコンテンツにして訴えています。 一人一人に語っていったら時間が足りないから僕の代わりに伝えるものが必要で、それがパッケージであり、ホームページであると思っています。

-遠藤さんがお店を通して伝えていきたいこととはなんですか。


毎日をワクワクにする、ということです。これはうちのコーポレートキャッチの「to create exciting days」の意訳なんですが、僕自身、ワクワクするということ自体が人生で一番楽しいことなんじゃないかと思っているんです。見ただけでそうなるようなものを作っていく人間でありたい。だから、平凡なことはしたくないし、(平凡なことは)そもそも自分がワクワクしない。僕はものを作る人間だから、お客さんが飽きる前に自分が飽きる、そうじゃなきゃダメ。一つのものを作ったら、「次ワクワクするためには何しよう」って考えられるようじゃないと、モノは提案できないと思います。


高橋 弦太

(休学し、長期海外旅行を決意した男)

今しかないじゃん、学生って


ことね

(KooBeeクリエイティブ部リーダー)

人と人を繋ぐモノづくり


谷岡 久美

(発達科学部卒ミュージッククリエイター)

人と関わることを大事にしてほしい。


吉田 覚

(WIll Way代表)

いつまでも自分のサポーターであってほしい


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