応援団員がゼロであった神戸大学応援団総部。今年は3年ぶりに1人の応援団員の姿があった。現在、たった1人の団員として活躍する宮脇健也さんが目指している応援団とは。
PROFILE
宮脇健也
神戸大学に関わるすべての者を応援する
-応援団はどんな活動をされていますか?
応援団は「神戸大学に関わるすべての者を応援する」という理念のもと活動している組織です。スポーツの盛んな春から秋の時期は基本的に体育会の部活を応援しています。それ以外の時期には、落語研究会や自由劇場にも駆けつけて応援させていただいてます。また、より一般学生にも勇気を与える活動をするために、ステージで演舞も行なっています。
-応援団を再び始動させようと思ったきっかはなんですか?
僕は今年の4月に神戸大学に編入してきました。11月に編入試験の合格発表があり、12月の頭に、アメフトの入れ替え戦があったので、神戸大学の雰囲気を知るために見に行ったのですが、その時に応援団がないということに気づきました。普通、神戸大学くらいの規模の大学には学生服を着た応援団、学生を応援するという組織があるはずですが、当時の神戸大学にはそのような組織がなく、僕はその状況に危機感を覚えました。そんなとき応援団復活のためのプロジェクトを、体育会の加瀬さんやOBさん、吹奏楽部が行っていることを知りました。応援団復活にはたくさんの人が関わっており、僕だけでなく体育会の加瀬亮太さん、応援団吹奏楽部の松田大地さん、その他OB、OGさんの多大な協力がありました。応援団がどんな感じなのかお話を聞いているうちに、プロジェクトのサポートを受け、自分が団員として復活させたいと決意しました。※応援団復活に携わった、加瀬さん(写真右)、松田さん(写真左)にもインタビューに同席していただきました。
-7月に初めて公の場でのパフォーマンスをされたと伺ったのですが、その時の様子はどうでしたか?
硬式野球部の神京戦というものが毎年開催されていて、今年は神戸大学で開催されました。神京戦は伝統の一戦であり、応援団復活ということもあって、OBさんや応援団関係者の方々、一般の方々もたくさんいらっしゃっていました。「復活したのはいいけど、何かなぁ…」というガッカリ感を絶対に与えてはいけないと思っていました。だから、その日に向けてOBさんに平日にも来ていただいてご指導いただき、万全の状態で行うようにして臨んだ試合でしたね。
-小学生のころから馬術をされていて、日本一になった経験もおありだと伺ったのですが、大学で続けなかったのはなぜですか?
個人的な話にはなってしまいますが、馬術は正直言ってやりつくしてしまったと思うんです。これ以上馬術を極めるには、ヨーロッパに行かなければならない。自分の将来の道は、馬術一本の道なのか、それともほかの道なのかということを考えたときに、管理会計学を学びたいと思い、神戸大学の経営学部に入りました。神戸大学の馬術部に入るという選択肢もありましたが、馬術を捨てて神戸大学にきたので、馬術は選択しませんでした。しかし、馬術をやっていた時に、応援してくれる存在が大きな力になっていました。応援の力を現役時代に実感していたので、今度は応援する側にまわってみたいと思いました。選手としてプレーしていたということもあって、応援される側の気持ちもわかるつもりでいるので、実際応援するときに選手の気持ちを考えながら応援できる。そこには馬術の経験を多少なりとも活かすことができていると思います。
-応援団を再始動させる上で苦労したことはありますか?
一度潰れているのには原因があるので、その原因が何かを考えた上で新しい応援団を作り上げなければならない状態でした。また、3年間の休止期間があったために応援団の文化というものも一旦そこでストップしてしまっていました。再始動していく際に、どういった文化にしていくのかというところもゼロから自分たちで考えていかなければなりませんでした。今も試行錯誤しているところではありますが、その文化の再興というのが一番難しいところだと思います。
-応援団の活動を通して楽しかったことはありますか?
自分が応援に行った試合で、勝ったときは喜びを感じますね。先日もレイバンズの京都大学との試合があったのですが、京都大学に勝ったのは4年ぶりのことでした。観客席もみんな喜んでいて、選手たちも泣いていて、その観客席を統率させていただいて、そこが大いに盛り上がっているのを見たときは、楽しい、というより感激でした。感動しました。
-OBOGの方々はどういった形で協力されているんですか?
土曜日や試合前の平日には応援のスタイルや応援団で受け継がれている伝統を、試合当日には動き方などをご指導いただいています。入って半年というのもあって、わからないことも多くあるので、試合にも来てくださって、どういう風に動くのかなどのご指導もいただいています。8月、9月にハチ北高原の方でOB3人と僕一人での合宿がありました。OBさんがよく「選手は限界を超えてプレーしているのだから、応援する側も限界を超えないとそれは応援ではない。そして、普段限界を超えることをしないと、実際の本番でも限界は超えられない」という風におっしゃていて、僕もそれを大事にしています。
-他大の応援団との関係はありますか?
あります。試合先での交流はもちろんあるのですが、やはり三商、一橋大学と大阪市立大学とのつながりが一番深いです。6月に三校で合宿をしたり合同演舞をさせていただきました。あとは京都大学とも、神京戦という交流を通して、昔から交流があります。他大学の応援団同士で集まると、大学ごとに応援のスタイルが異なっているので、互いに並びあいエール交換を行うと刺激を与え合うことができます。そういった意味で他大学とのつながりはすごく有意義なものになっています。
-応援団を今後どうしていきたいですか?
神戸大学生を応援するという組織なので、まずはそれを追求していきたいです。そのために、大事にしていることは、「今」の神戸大学生を応援する組織でありたいということです。なので、時代に適応しなければならない。しかし、なんでもかんでも適応すればいいというわけではなくて、伝統を守っているから価値があるものもあります。現在も試行錯誤しているところですが、「いい伝統を守りつつ、適合しなければいけないところは適合していく。」そういう風に組織を進化させていきたいと考えています。あとは具体的なところでいうと、応援団は学内を繋ぐ組織でもありたいなと思っています。例えば昔は開催されていた応援団主催の交流会をもっと積極的に開催していきたいです。やはり、神戸大学は学部ごとにキャンパスも離れており、なかなか他の部活の人やサークルの人、学部の人と交流する機会はないと思います。せっかく大きい総合大学にいるんだからいろんな人と関わる方がそれぞれの財産にもなるかなと思います。
-最後に、神大生に一言お願いします。
応援していると、とても幸せな気分になることが あります。また、真剣に応援していると、なぜか逆に応援されることもあります。応援されることはもちろん嬉しいですよね。つまり、応援は自身も、相手も幸せにできる魅力があります。応援されたい方は是非応援団室にお越しください。全力で応援します(笑)。応援する側に回りたい方は、是非応援団への入団も検討してみてください!大学生活充実し過ぎること間違いなしです!