昨年9月に六甲道の少し上、山幹沿いに黄色い扉のなんだかおしゃれなお店が現れた。入ってみると雰囲気の良い古着屋さん。気になる服を手に取ると、良心的な値段にこっちが心配になってくるほど。そんなKQの店長さんの情熱に迫る。
PROFILE
石井克叔
石井さんと古着
-古着屋を始めたきっかけは?
中学生の時からずっと服が好きで、その頃から古着屋さんに通ってました。 高校を卒業してからは一旦就職して工場で働いたんですけど、やっぱり服屋さんで働きたいなと思っていました。そんなときにヤング衣料店っていう元町の古着屋さんのオーナーに「うちで働かないか?」って声をかけていただいて、古着屋さんで働きだしました。その流れで自分の店を持つようになったって感じですね。二階で奧さんと一緒にカフェもやってます。
-古着屋さんってちゃんと儲かるんですか?
儲からないですね(笑)。全部アメリカに買い付けに行ってるのでどうしてもコストもかかるし。
-買い付けってどうやるんですか?
アメリカ人はクリスチャンだから寄付の文化が強くて、寄付したやつを大量に売っているお店があるんです。そういうところを何十軒とまわって、何万枚と見ながら一枚一枚選んでいく感じ。あとはディーラーの知り合いがあっちにいるのでいい古着があったら取っておいてもらったりって感じですね。
-どれくらいの頻度で買い付けるんですか?
まだオープンしたのが9月で、その時から行けてなかったんですが、4月の後半にまた行ってきたので店頭に新しいのが増えますよ!前のお店だと2ヶ月に1回くらい買い付けてました。
-どんな古着を買い付けるんですか?
そうですね。90年代とか。90年代の洋服は今流行りですよね。まあ90年代の洋服は着てた人間やから。流行りも取り入れつつ、自分の好きな70年代とか学生のみんながあまり馴染みのないようなところも提案できたらなって。
-見るだけで服の年代ってわかるんですか?
もちろん。それがないとこの商売できないですからね。タグとか見なくても雰囲気でだいたいはわかります。その時々の文化、流行りってあるじゃないですか。音楽とか映画だったりとか。そういうものがあって文化、流行りが作られていく。例えばこの服は、黒人文化の象徴的な柄なんですよ。じゃあ黒人文化のヒップホップとかが一般に根付いてきた時代だから、これが何年?ってなったら80年代から90年代だなってなる。ただ、今は古着をフューチャーしたブランドが多いから分かりにくくなってますね
-最近は古着を着ている人が増えてきましたよね
古着を着てるおしゃれな人はずっといたけど、流行が目に見えてきたのが今の時代なのかなって。古着が売れない時代って実はあって、俺が10年働いていたなかでも全然ダメだったときもあるんです。今は古着ってものに抵抗がなくなったってこともあるかもしれない。飲食と一緒で、今お肉が流行だとか、前は野菜だったりとか。今だと古着の流行は90年代。アパレル業界では流行は女の子が先行なので、女の子のはそろそろ変わるかな。