No.120

お店という変わらない自分の場所がある

お八つとお茶いろは 店主

Presented by Naho Takamochi, Sueyoshi Miku

Photo by Shoichiro Sakamoto


八幡神社のそばにある小さな日本茶カフェ、お八つとお茶いろは。どこか懐かしい雰囲気の店内と六甲のカフェでは珍しい日本茶、そしてそれによく合うおやつ。一人で切り盛りする店主に、お店に詰まったこだわりを聞いてきました。

PROFILE

お八つとお茶いろは 店主

自分の好きなものとこだわりを詰め込んだお店

-お店を始めたきっかけを教えて下さい。


2012年の10月に始めて、今年で7年目になります。大学生の時に建築デザインを学んでいて、お店という空間を作ってみたいと思ったことがきっかけです。自分の好きな空間を作るために、外観イメージや店内配置図などを自分で一度描いて設計士さんに渡し、話し合いながら図面を描いてもらったので大体希望通りになりました。この場所はもともと本屋の倉庫だったらしいので、カフェを開くための設備は何もなくてまずガスを引くところから始めたんですよ。

-店名の由来はなんですか?


3文字にしたかったんです。語呂がよくて、懐かしい感じがして、覚えやすい言葉がよかったので、いろはに決めました。後付けですが、いろはは「いろはにほへと」の最初の3文字なので、はじまりという意味も込めています。

-どうして六甲を選んだのですか?


流れ着いた感じです(笑)。京都や奈良の町屋のお店が好きだったので、最初はその雰囲気が残る大阪でお店を探していました。今の場所は六甲を探し出した時から目をつけてたのですが、空いてなくて諦めてました。久しぶりに見に来たら前借主が出たようで、すぐ不動産屋さんに確認に行きました。神社がすぐ横にあるので雰囲気が良いし、緑も見えるのが気に入ってここに決めました。

-内装のこだわりはなんですか?


狭いスペースをいかに無駄なく使うかは必死で考えました。間口は全面ガラス張りだったので、イメージに合わずに撤去してもらいました。和の雰囲気にしたかったので、お客様がガラガラと引き戸を開けて入ってくるイメージで、入り口は引き戸にしました。田舎の祖父の家が好きだったので、昭和っぽい小物や家具が多いです。昭和のイメージ、落ち着いた雰囲気を出したくて、濃茶色の木素材をたくさん使ってます。また、鹿が好きなので、鹿のグッズも多いです。友達が描いてくれたお店の絵も飾っているのですが、その中のお客様も鹿になっています。すごくかわいいです。
ちなみに内装を決めていて一番テンションが上がったのは椅子を買ったときです!昔から椅子を見たらなぜか自然とときめいていて、でも実際椅子なんてそんなに買えないじゃないですか。お店を始めるとき、これは椅子を集めるチャンスだ!と思いました(笑)。生地を選んで張り替えてもらったりして、すごく楽しかったです。

-お菓子作りは元々好きだったのですか?


お菓子に限らず、何かを作るということが好きでした。でもお菓子作りに関しては知識がなかったので、カフェを開こうと決めてから1年間、専門学校でお菓子作りについて学びました。様々なことを学びましたが、製菓の実習は少なくて、専門学校を出てから個人経営のお店で働き始めたときに試行錯誤で学びました。教えてくれる人もおらず、とにかく実験実験実験…という感じでしたね(笑)。

-どうして日本茶のカフェにしたのですか?


いろはを始める前に、岡本の「一日」というカフェで少し働いていて、お茶の淹れ方を学んだんです。元々そこへはお客として通っていて、そこで日本茶の種類の多さと味の違いを知って面白いなと思うようになりました。また、六甲にはコーヒーを出すお店は多いですが、日本茶を出しているお店がなかったのでちょうどいいなと。お菓子も和の素材を使ったものが好きなので、組み合わせが楽しめそうだなと思ってお茶を出すことに決めました。

-メニューへのこだわりを教えて下さい。


季節の食材を使うことと和の素材を入れることです。いろはで使うあんこは、主に神戸の和菓子屋さんに卸している製餡所から直接仕入れています。 おすすめのメニューは焼き菓子が好きなので、チーズケーキやタルトです。季節ごとに変わるので是非食べてみて下さい。

-どの季節のお菓子作りが楽しいですか?


うーん、秋冬ですかね。秋冬は使える食材が多くて、何を使うか考えるのが楽しいです。夏は旬の食材を使った焼き菓子を作ることが難しいので、レアチーズケーキにフルーツのソースをかけたものや、パフェをよく出しています。メニューは季節ごとに毎年定番化していて、たまに隙を見て新しいメニューを加えます。「去年食べたあのメニューはいつ出ますか?」とお客様に言われるので、去年出したメニューは大体今年も出すようにしています。 一番よく言われるのが、キンカンのタルトですね。年末ぐらいからやっと出せるメニューです。とても楽しみにして下さっているお客様が多いのですが、キンカンって種が多くて取るのにすごく手間がかかるし、タルトにたくさんのせるからすごく大変なんです。実はめんどくさい!って思いながら作ってます(笑)。

-おすすめのお茶を教えて下さい。


お茶も様々で、産地と味を書いているので飲み比べしたら面白いかなと思います。お客様の中には色々飲み比べる方もいれば、1つのお茶を気に入って同じものをずっと頼んでくれる方もいます。だからもう種類を減らすことができなくなりました(笑)。どれがおすすめかと言われると難しいので、それぞれお気に入りのお茶を見つけてほしいです。


奥野亜衣

(バレエダンサーを目指す、現役大学生)

全力で向き合い、全力でぶつかって、全部自分の糧にする


箱田 貴大

(自由劇場新歓公演脚本)

学生が一つのものを作り上げる時のパワーを感じて欲しい


河本 真夕(かわもと まゆ)

(神戸よさこいまつり実行委員長(山美鼓所属))

よさこいって、わけわからないくらい楽しい!


羽賀 誠

(ベルカン9期代表)

面白くないことは続かない


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