No.112

普段の努力こそ特別な場で発揮できる

新藤春奈

(タリーズコーヒー2017年バリスタコンテスト アルバイト部門優勝)

Presented by Maruyama Kana, Takamoti Naho

Photo by Mako Murakami


タリーズで毎年開催されるバリスタコンテスト。タリーズ店員としてのスキルを総合的に評価される大会で、アルバイト部門の頂点に立った神大生がいる。お客様や審査員を引きつける彼女の魅力に迫る!

PROFILE

新藤春奈

お客様一人一人に最善の接客を考える

-どうしてタリーズで働こうと思ったんですか?


ありきたりですが、単純にカフェのバイトに憧れがあったからです。タリーズは一番よく利用していたカフェだったので、実際の仕事のイメージもついていました。また、大学一回生の夏に働き始めたのですが、当時は奈良から大学に通っていたので、通学途中の梅田にある閉店時間が早いカフェ、という理由で今のお店であるタリーズコーヒー大丸梅田店を選びました。

-タリーズで働いていて楽しいと思うことはなんですか?


接客が好きなので、レジに立ってお客さんと会話をすることが楽しいです。お店が梅田にあるので来店される方は急いでいる人が多いと思われがちですが、大丸店には家族連れの方やご年配の方など、ゆっくりしていきたいお客さんもたくさんいらっしゃいます。そういう方に会話も交えた丁寧な接客をして、喜んでもらえると本当に嬉しくて。だからもっと接客を楽しくしよう、コーヒーを丁寧に淹れようと思えるんですよね。他にも、お店に入って来るお客さんを見たときに、この人はどういう接客を求めているか考えて、それが合っていると嬉しくなりますね。例えば急いでそうだなと思ったら、出来るだけ素早く対応して送り出します。どんな接客をするか色々考えて試して、喜んでもらえるのが一番楽しいし、やっていて良かったなって思えます。

-バリスタコンテスト(以下:バリコン)とはどういうものですか?


タリーズコーヒーのバリスタ(ドリンクを作成する人)として、高いバリスタスキルと良い接客、そして、品質の高いエスプレッソをいつもお客さまにご提供できるように、毎年開催されるコンテストです。審査対象は接客のロールプレイングとドリンクを作るバリスタの部門、そしてカッピングというコーヒーのテイスティングです。大会ではタリーズで扱う12種類の豆の中から、コーヒーの味や香りを評価しどの種類か当てる利きコーヒーをするときにカッピングを用います。店舗の代表者がエリア大会に出場し、その上の関西大会の優勝者が全国大会に出場します。各地方で開催されていて、全国大会の出場者は社員部門・アルバイト部門でそれぞれ10人ずつです。
私は2016年、2017年の2大会に出場したのですが、1度目は関西3位という結果でした。全国優勝した2017年大会は、タリーズ創業20周年記念大会ということで舞浜の大きなホールでの開催で、表彰式で女優さんが出てきたり、優勝者にドイツとイタリアへの研修旅行がプレゼントされたりといつもよりちょっと盛大でした。例年ハワイの農園見学ツアーなのですが、その年はタリーズで使っているコーヒーマシンの工場見学をしたり、本場のエスプレッソを試飲したり、近所のカフェに行ったり、本当に濃くて贅沢な体験をさせていただきました。ただのバイトなのにこんなことしていいのかなって思うくらい(笑)。

-バリコンには2度出場されたということですが、1回目と2回目で変わったことはありますか?


最初にバリコンに出てみないかというお話をいただいたときは、「そんなのあるんですか!でまーす!」という軽い気持ちで引き受けました。1回目の関西大会は、午前に接客とカッピングの審査、お昼を挟んでバリスタ審査という日程だったのですが、午前の部が終わって気持ちが緩んでしまいました。バリスタのイメージトレーニングもせずに、応援に来てくれたお店の人と喋ったりのんびり休憩したりしていて。でもいざバリスタマシーンの前に立ったら緊張で頭が真っ白になって、普段ではありえないようなミスを連発してしまったんです。結果は全国大会出場どころか、関西で3位で終わりました。もともとは軽い気持ちで出場を決めたバリコンだったけど、つまらないミスをして自分の実力を出せなかったことが本当に悔しくて、来年はちゃんとやろう、関西1位、全国1位を目指して準備しようって決めました。
だから2回目で1番変わったのは出場に当たっての準備ですね。バリスタマシーンって同じ種類でも、店舗によってエスプレッソを抽出する時間の長さやスチームミルクの仕上がりに違いがあるんです。大会で初めて扱うマシーンでも1発で合わせられるように、他のお店や三宮にあるタリーズのトレーニングルームを使わせてもらって練習し、コーヒー豆の説明も1から勉強し直しました。本番ではお客さん役の人に「取引先に豆を差し入れたい」「上司にお土産としてコーヒー豆をあげたい」などいろんな設定があって、そのニーズにどう対応してどのコーヒー豆をおすすめするか、という接客の様子を見られます。それまではタリーズで教わった豆の特徴をそのまま覚えて説明に使っていましたが、それでは全国では勝てないなと気づいたんです。そこから勉強し直して、ありきたりな言葉ではなく自分の言葉で説明出来るようにしました。


宮原 泰之

(経営学部准教授)

”まわりに合わせよう”みたいな雰囲気を大学生にはぶち壊して欲しい。


中村 嘉孝(なかむら よしたか)

(神戸大学法学部4回)

弱い人に寄り添っていきたい。僕自身が弱い人間だから。


吉岡詩織

(“よしおカフェ”店長)

私にとっての強みが、たまたま料理だったっていうだけ


上山裕之

(王子動物園 園長)

喜ぶ顔を見られることが最高に嬉しい


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