No.110

様々な価値観に触れてみたかった。

藤永旺次郎

(経済学部5回生)

Presented by Yuma Taketa, Kanane Hase

Photo by Shoichiro Sakamoto


地球一周して見た世界の姿とは。世界から見た日本とは。神大生よ世界を感じろ。

PROFILE

藤永旺次郎

「ノリ」で色々やってみる。

-これまでの大学生活について教えてください。


入学後まずは体育会のバスケ部に入部しましたが、海外に出てみたいという気持ちが強かったため、秋には退部して海外に行くための資金を集めていました。塾のチューターをしながら、NTTの営業をしたり、先輩の紹介で地元のバーで働いたりしていて、バーのお仕事では店長も経験しました。元々は留学をするつもりでアルバイトをしていたのですが、ある日留学関連の調べ物をしていたら、世界一周のバナー広告をたまたま見かけたんです。もともと飽き性ですし、留学で1つの国に定住するよりも転々と世界各地へ足を運ぶ方が自分には合っているのかな、と感じて3回生の4月 から休学して11ヶ月ほど世界を周っていました。

-世界一周!どのように巡られたのですか?


僕は人よりも珍しいルートを辿ってきたと思います。通常、日本から世界を一周する場合はアジアかアメリカから周るのが一般的で効率が良いとされています。でも、僕はフィリピンから東南アジアを周り、インドへ行き、そこからアメリカ・南米を巡り、アフリカに行って、ヨーロッパに行って…とめちゃくちゃな回り方をしたので実質1.5周くらいしましたね(笑)。

-なるほど…!海外へ興味を持ったきっかけは何なんですか?


高校の時の英語の先生が授業中に海外での話をよくしてくれて、そこで興味を抱き始めました。それで、大学が決まった春に実際にベトナムへ行ってみたんです。それが面白くて。日本と全然違うっていうのが面白いんですよね。もっと様々な価値観の違いを感じながら、広く色んなものを見てみたくなったんです。

-海外で旅をするにあたって、言語や予算の壁はどう乗り越えましたか?


挨拶くらいは入国前に勉強するんですけど、話せるのは英語と少しのスペイン語くらいでした。でも、言語は違えどエロと笑顔と音楽は世界共通だなって感じるようになりましたね。それがあればなんとか仲良くなれるんです。常にニコニコしながら下手でも踊ってみたり。日本の歌も人気があって、カエルの歌から中島みゆきの『糸』まで色んな歌を教えました。日本のアニソンはみんな知っていて、カラオケに行って歌うと盛り上がりました。 日本の書道は人気があって、道中では持ってきた習字セットでパフォーマンスをしてお金をもらい、その日のパスタ代にしていました。

-実際に訪れていく中で一番印象に残っている国はどこですか?


やっぱりインドですね。 街中を歩いてたら、10歩もしないうちに良い人も悪い人も寄ってくるんです。とてもフランクで、「ちょっと俺の写真撮ってよ」とか言って近づいてきてくれるんですけど、撮ったらどっか行っちゃって。データだけ残っちゃってどうするんこれ、みたいなことがよくありました(笑)。 インドはうざい国ってよく言われてるんですけど、本当にうざかった(笑)。 文化や考え方も日本と違いましたね。例えば、ホテルでWi-Fiが繋がらないことが何回もあったんです。その時に最初は1人の客として怒ってたんですけどインドの人は謝りもしないんです。でも、段々インドの人々のノリがつかめてきたので、少し切り口を変えてめっちゃニコニコしながら「頼むわ〜」みたいな感じで接してみたら、なんとかしようと動いてくれたんです。客だから大切にするとかではなく、友達だから助けてあげるというのがインドでは自然な考え方みたいです。 また、地元の人にヨガも教えてもらって、瞑想にめちゃくちゃハマりました。瞑想やサーフィンなんかもしながら、のんびり暮らす貴重な経験もできてすごく良かったですね。

-旅の中で印象的な出来事はありましたか?


コロンビアで経験した同世代の仲間の死です。 キューバで自分と同じように旅をしている日本人の大学生と出会ったのですが、その後コロンビアで再会することができました。でも、別れた直後に強盗にあって殺されてしまったんです。現地の方が、日本人が死んでるぞって呼びに来てくれたので実際に現場も見て、怖くて一週間くらい宿から出られなくなってしまいました。自分と同じ境遇で同世代の大学生がこんなにも急に亡くなってしまうということが本当にショックだったんです。 日本では深夜に一人で酔っ払って歩いてても、まあ大丈夫じゃないですか。真昼間に普通に歩いてただけなのに命を奪われてしまうって、やっぱり日本とは違うんだなって。自分の身の危険も感じて、もう日本に帰ろうかなとも思いました。 でも、現地での葬儀に出席した際にその子の親御さんが「こんなことがあったけど、息子の分までちゃんと旅を続けてください」って言ってくれたんです。それがきっかけで自分の旅を全うしようという気持ちになりましたね。 いい経験って言うとちょっと違うけど、他にはない経験をしました。


吉原 史郎

(経営学部卒コンサルタント)

自分がこの仕事をするために生まれてきたという感覚があります。


西田健志

(神戸大学国際文化学研究科 准教授)

神大生よ、もっと「こじらせよう」


吉備 友理恵

(関西建築サークル#代表)

あなたと建築したい。


谷端 美里

(ROOKSキャプテン)

がむしゃらにプレーしたい


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