No.106

遊び心で生まれるひと工夫

宮崎信/山岡義大

(工学部大学院卒業生)

Presented by Mana Kawaguchi, Ryota Asakura

Photo by Shoichiro Sakamoto


六甲台キャンパスから歩いて3分。隠れ家のような落ち着いた雰囲気のカフェ「ink BOOKS and COFFEE」。その店内をイチからデザインし、現在も運営方針を提案し続けるのは2人の神大生である。二人がこのカフェにかける情熱とは。

PROFILE

宮崎信/山岡義大

お店の細部までこだわり抜く。

-まずは、このお店について教えてください。


「ink BOOKS and COFFEE」は、去年の秋ごろにオープンしたカフェです。4年前に王子公園で別のカフェの内装を手伝わせてもらったことがありました。去年の5月ごろ、その王子公園のカフェのオーナーにまた声をかけていただき、廃墟のような状態の家を壁を塗りなおすことから始まり、デザイン、設計、家具集めなどすべて自分たちで行いました。「ink」という店名は万年筆のインクからとっていて、本を読んだお客さんのコメントやお店に来た感想を、店内に設置したノートに書いてもらいたい、という想いがあります。また、店の近くには大学があるので、教養のある人たちが落ち着いて本を読める空間を目指して設計しました。

-落ち着いた空間を作るためにどのような工夫をしていますか?


一番のこだわりは、個室のような小さな空間と大きなテーブルを置いた広い空間を区切る大きな本棚です。もともとオーナーの意向の中に大きい本棚を設置したいというものがあり、最初は壁にぴったりとくっつけて設置しようとしていたんです。でも、試行錯誤を繰り返していくうちに個室を作るというアイデアと合わさって、本棚で個室スペースを区切るという形になりました。本棚の隙間のおかげで閉塞感もなくなり、利用してくださる方にとっても過ごしやすい空間になったと思います。他にも、照明や家具、食器ひとつひとつを様々なお店で探して、店内の雰囲気に合うものを選んだり、お客さんの席から配管や配線が見えないようにしたりして、アンティークな空間で本を読めるように工夫しています。あとは、天井が高くてガランとした感じがしたので、本物の木のオブジェを用いて温かみを感じられるようにしています。こういった発想はオーナーにも褒めていただきました。

-置いてある本もご自分たちで買いに行かれたんですか?


色々ですね。古本屋で買ったり、オーナーが知り合いから集めたり、お店に来たお客さんが寄付してくださった本もあります。ジャンルも様々で、難しい美術の本から小説、雑誌まで色々置いてあります。本だけではなくレコードも置いていて、お客さんの要望があれば奥にあるレコードプレーヤーで好きな曲をかけることもできます。あとは、プロジェクター、Wi-Fi、コンセントも完備しているので、ミーティングやスポーツ観戦に使っていただいてもいいんじゃないかなと思います。


洲崎 敏伸

(理学部准教授)

何億年も前の共生によって今の私たちがあります


斉藤善久

(神戸大学国際協力研究科 准教授)

求められるままに、流されるままに


田中光

(カフェ運営を行う現役大学生)

お客さんそれぞれにとって、ほっこりできるカフェでありたい


田中 優祐

(起業家精神育成ゼミナール創始者)

大事なのは”終わり”を意識すること


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