NO.50
池田 輝彦
(りんぐ店長)
「みんなでりんぐを作りたい」

神大生なら知らない人はいない居酒屋、りんぐ。店づくりはどのように行われているのだろうか。店長の意外な素顔、おすすめのメニューも知れちゃうかも!?
Presented by Aimi Fukuyama, Shota Tsuge
Photo by Nami Yoshida
周りの人の存在が大きい
― 情熱取材が始まる前、りんぐの裏側について、いろいろ教えてくださいました。
実は、りんぐには部活(通称りんぐ部)があるんです。学生とりんぐを経営している社会人が一緒になって活動するもので、今は、スノボー部と王将部、将棋部があります。王将部は、王将好きが集まって王将に行くっていう集まりですね(笑) あと、インターンもやっています。メニュー開発、宣伝、りんぐをもっとよくするためのバイトとのインタビュー、 戦略を考えるなどの社長業を体験します。つまり、このインターンではりんぐの根幹の部分を作っていくわけです。根幹次第ではりんぐは上手くまわっていかないので、とても責任ややりがいのある内容になってきます。その根幹づくりを学生のみなさんとやっています。 もう一つ、今りんぐでは神大で作っている丹波の黒豆をりんぐで使おうと思ったのがきっかけで神大農学部の院生とタイアップして、直接農家さんから仕入れた野菜でオリジナルメニューを作る企画をしているんです!メニューはまだ考え中ですが…。なぜこの企画を始めたかというと、今僕は円安が怖いんです。ひとつひとつの商品の値段に与える影響は小さいかもしれないけど、長期で見ると大金になります。そのしわ寄せをいい方向にもっていくのもオーナー仕事やと思っています。円安になると、野菜を外国で仕入れることができず、また国内でも店で売っているものは値段が上がります。だから、直接農家さんから仕入れることにしました。今、農家さんは就業年齢が上がってくるなどして厳しいと言われていますが、僕は将来日本で生き残っていくのは農家さんだと思っているので、この取引を通して農家さんが野菜を作ることができる基盤を整えたいと思っています。現在していることで言うと、りんぐで使っているお米は三田のひのひかりで、普段は違う会社で働きながら、海外も飛び回りながら有給を取って家業の米作りもしている人から仕入れています。
― なぜ、学生とつながろうと思ったんですか?
熱い気持ちを持って、「これがやりたい!!」と思っていることがあったら、実際に実行できるし、不正をしない。それについて、学生はちゃんと守れると思うんです。その中でも、神大生は他の大学生と少し違う気がします。神大生は、なんでも自分のせいにしようとしませんか?(笑)例えば、ある出来事がうまくいかなかったら、その出来事が起こるまでの過程に問題があるのに、自分に問題があったんじゃないかって反省する。自分の心情に問題があったんじゃないかっていうところまで深く考えられるところが好きです。他の学生に比べて、考える深さが違うと思うんです。利益とか仕事を覚えるだけではなく、仕事で感じたものを通じて、自分の精神的な面を改善して次の仕事にアウトプットし、成長できる。つまり、僕が神大生と働きたいのは、ただ好きだからです。一緒に働いていて、信頼して仕事を任せられます。
― 「みんなでりんぐを作る」というのが伝わってきますね!
そうじゃないと、おもしろくない! これには、僕の生い立ちが関係してくると思うので、話します。僕は、小学校5年生の時にアフィリエイト(※ネット広告の課金方式の一つ)をしていたんです。小5の時に、将来このままでいいんかな、と真剣に考えた時期があって。フラッシュゲームとかを作ってお金を稼いでいました(笑)中3の時にはホームページを20~30個作りましたね。小5の子どもから40歳のおじさんまで、幅広い年代のグループを作り、3か月ずっとスカイプでゲームの攻略法のオンラインラジオを流していました。今でいうニコニコ動画のようなものですかね?結局最後は本家のゲーム会社に真似されたというオチでしたけど。そんなこんなで学校にも行きたくありませんでした。生きていくには仕事するしかないと思って、高1の時に車の整備工場で朝8時から朝5時まで毎日働き始めました。従業員が3人で回していたっていうのもあるんですけど、その時全員が社長みたいな仕事を体験したというのは今思えばすごく大きかったです。りんぐと出会ったのは、みんなで汗水たらして働いて、借金まみれだった会社を立て直してこれから頑張っていこうと思っていた矢先でした。もともと焼き鳥屋の店長なんてやるつもりなかったんですが、身内の店ということもあって周りの人たちに背中を押され、給料返上同然で車の工場も手伝いながら、焼き鳥屋の店長もこなしていました。会社を立て直すところから今はこんなにお客さんに来てもらえるようになって、嬉しい限りです。店長になった当時は学生との絡みは全くなかったけれど、店づくりをしていく上で、神大生には本当に助けてもらいました。その中で学生に対して感じるものがいっぱいありました。「学生っていいな」と思って、この度、慶応大学の通信教育に合格しました!この時にも、学生にはたくさん助けてもらいましたね。これまで生きてきて、どの道を選んできた時も人の存在というのが僕の中ですごく大きいので、自分だけの思いで店を回していくなんて、考えられません。これまでのいろいろな経験が、りんぐをみんなで作ることに繋がっているように思います。
「楽しいと思うこと」を信じる
― 店長、りんぐの未来として何か考えていることはありますか?
やっぱり、インターン生とまだまだ一緒に仕事をしたい。これから先りんぐが、もっといい店になっていけるように、ここで働いている人と一緒にやることを大切にしながら、いろいろな手段を考えていきたいです。というのも、これまで進む道は、「この人たちと働きたい!」っていう思いで選んできた人間なので、目先の利益とか給料には興味がないんです。
― りんぐへのこだわりや思いはありますか?
味と量、価格帯はこれからも貫き通します。学生がりんぐを好きって言ってくれることに対して、僕は食料で学生を支援することで期待に応えたい。学生ってビジネスでお金稼いでいるわけではないし、がっつり安く食べたいじゃないですか。鳥丼、実は赤字覚悟なんですけど、安くがっつり食べてほしい、そんな思いで作っています。 あとは、学生ベンチャーの支援もしていきたいと思っています。この時代、学生ベンチャーは社会を作っていく。若い世代の成長ってすごいことやと思います。りんぐが学生のハブステーションみたいになったらいいなという願いがあります。
― 店長がぜひ学生に食べてもらいたい!と思うメニューはありますか?
・鳥丼はほんまにおすすめ! ・棒棒鶏サラダ ・ラッパ。ラッパって、さばいたときにしか出ないものだから、普通は限定販売にするんですけど、うちはラッパ自体を買っているので、いつでも出すことができます。あっさりしているし、絶対みんな好きやと思いますよ~! ・ポテト。冷凍ではありません!(笑)ジャガイモを切ってその場で揚げて出しています。それで280円は安い!! ・ずりバターニンニク炒めは創業以来28年続いています。 ・ドリンク券どんどん使ってくださいね!! 実は創業当時、メニューは5品しかなかったですけど、今こんなにメニューが増えたのは、お客さんがいろいろなメニューを提案してくれたからです。だから、学生のみなさんが欲しいメニューとか、りんぐでもっと改善した方がいいところとかあったらなんでも言ってください!むしろ僕は、そこにしかりんぐが成長する可能性を感じていません!
― 神大生へのメッセージはありますか?
新しいワクワクしたものを生み出していく原動力に神大生はなれると思います。無理はしなくていいから、今社会にあるものを磨いてください。イキイキとした生き方を見せてほしいです。でも、その時にはやっぱりお金のことは考えるべき。必死で頑張って、自分が自信を持ってやってきましたって言えるようになれば、それ相応のお金をくださいって言えますよね。僕はやっぱり、お金は大切やし正しいものだと思うので、学生はもっと経済的なことも考えるべきやと思います。あと、これから大事になってくるのは、世界を利用させてもらうっていう視点やと思います。堂々と世界を利用しながら自分のやりたいことをすればいい。自信は経験でついていくものなので、まずは「楽しいと思うこと」を信じて実行していけば、未来は明るいと信じています!
10. 谷岡 久美
発達科学部卒ミュージッククリエイター
40. 井上 大樹
新歓祭実行委員長
56. 奥野亜衣
バレエダンサーを目指す、現役大学生
55. 宮下奨平
アプリ開発者
57. 月井涼太郎
国際教育プログラム「Up With People」参加者