原付、バス、徒歩。
これは神大までの3つの通学手段だ。
おそらく多くの神大生がこの中のどれかで通学しているだろう。
さて、あなたは考えたことがないだろうか?
・最も通学時間がかかる、だが無料の徒歩。
・10万円以上の初期投資が必要、だが通学時間が最も短くなる原付。
・お金も通学時間も原付と徒歩の中間位置にあると思われるバス。
「結局、どの交通手段が一番いいの??」 と。
私は卒業を間近に控えた経済学部の4回生だが、
4年間ひたすらに疑問に感じていた。
今回、私の様に、上記の疑問を抱く一部の神大生に向け
授業でかじった 「交通経済学」 の知識を用いて、
”最も経済的な通学手段”
言い換えると、
最も 「安い」 通学手段 を解明していく。
今回の検証が多くの後輩の通学手段の参考になるとなることを願うー。
①時間費用について
今回の検証を行う前に経済学の概念を1つだけ確認しておこう。
それは
「時間価値」
という概念だ。
「・・・」
「は?」
と感じる人も多いだろう。
ここから説明していこう。
時間価値 とは、
「時間の価値をお金に換算したもの」
である。
例えばA君は時給1,000円で居酒屋のアルバイトをしている。
これは自分の1時間を1,000円というお金に変換していると言えるので、
A君の時間価値(1時間当たり)=1,000円 ということができる。
このとき、A君の大学までの通学時間を1時間としよう。
A君は1時間バイトすることで1,000円を得ることもできたはずである。
だが、それを諦めて通学に1時間を使用している。
つまり、A君は通学に1時間使用することで1,000円を放棄していると言える。
この通学に費やした時間で放棄した時間価値を
「時間費用」
と呼ぼう。
さて、「時間費用」を考慮すると、
通学・バス・徒歩の3つの通学手段で費やした時間を金銭的価値に換算できる。
つまり、
3つの交通手段でかかる
総 費用 (時間費用+ 金銭的費用 )
を計算できるのだ。
例えば、バスでは
4年間のバス通学にかかる実質的費用=
4年間のバス通学で費やした金銭(4年間のバス通学日数×210円)
+4年間のバス通学でかかる時間費用
で計算できる。
図示すると、
このようになる。
この計算式を応用することで
最も経済的な通学手段を、
解明することができる のである!
さあ次項から、本題である各通学手段の総費用の方程式を導いていく。
今回の記事をここまで読んでようやく気付いた読者もいるだろう、
やってることがめんどくせえ 、と。
心配しなくて大丈夫だ、ここから先もこの調子で淡々とだらっと続けていく。
③総費用の方程式の算出
さて、今回は神大生の主な通学手段の総費用を比較していくわけだが、
そもそも 神大生はどの様にして通学しているのだろうか?
神大生51人に通学手段について調査したところ、以下のことが分かった。
(行きの交通手段ー帰りの交通手段)
このアンケートの結果、神大生の通学手段は大きく以下の4つに大別できると言えるだろう。
交通手段 |
行きの交通手段 |
帰りの交通手段 |
① |
徒歩 |
徒歩 |
② |
原付 |
原付 |
③ |
バス |
バス |
④ |
バス |
徒歩 |
なので、今回の検証では
この 4つの通学手段の総費用を比較していこう 。
また、今回は4つの通学手段で以下の条件を設定する。
・ 時間価値は、1時間当たり1,000円 とする。※1
・1年間の通学日数は、171日とする。※2
・ 4年間の通学日数は、171日×3=513日 とする。
・ 通学ルートは六甲道駅ー国文キャンパス間 に限定する。
・ 原付は、購入費用120,000円 とし、
10日間通学するたびに ガソリン給油代400円 を計上する。
・通学にかかる時間を計測するのは面倒なのでGoogleマップさんに算出してもらう。
(Googleさん曰く)
通学手段 |
六甲道ー国文キャンパス間の所要時間 |
徒歩 |
30分 |
バス |
13分 |
原付(Googleマップでは、車) |
6分 |
※1 1,000円/h という時間価値は私の居酒屋バイトでの時給を使用している。
※2 1年間の通学日数は、神戸大学における授業日数+テスト期間の日数から算出。
ただ、1年間の通学日数×4年=4年間の通学日数とすると、4年間週5で大学に通い続けるという計算になってしまい、通学しすぎなので不採用。なんとなく3倍くらいがちょうどいいかなと思って3をかけています、適当ですみません。
さてこれらを頭に入れて、各通学手段の総費用を求めていこう。
④①徒歩ー徒歩での総費用
まずは、一番 ドMな 通学手段である
”登下校ともに徒歩”で通学
した場合の総費用の方程式を導こう。
六甲道ー国文キャンパス間を徒歩で通学した際の片道の所要時間は、Googleマップによると30分。
つまり、登下校徒歩だと、通学に1時間費やすという計算となる。
徒歩で通学する際にかかる費用はもちろん0。
よって、登下校共に徒歩通学の場合の総費用は、
となる。
⑤②原付ー原付での総費用
お次は、
”登下校ともに原付” で通学
した場合の総費用の方程式を導こう。
余談だが、ヘルメットの紐をしめずに原付に乗ってる中途半端にイキってるやつは本当に消えてほしい。
六甲道ー国文キャンパス間を原付で通学した際の片道の所要時間は、
Googleマップによると6分。
6分…。
「いや、そんな短いか?」
と思うが、ここは世界のGoogle先生に従おう。
原付も徒歩同様、登下校の度にかかる費用は0だ。
だが、原付には 購入時 と ガソリン補給時 に
費用が発生する。
今回の検証では
原付購入費用は、
私が実際に原付購入時に支払った 120,000円を採用する。
そしてガソリン補給費用は、
10日に1回ガソリン補給する。
ガソリン1回補給にかかる費用は400円とする。
さて、少しややこしくなってしまったが
登下校共に原付通学の場合の総費用は、
となる。
ここまでもこれから単調な方程式の算出が続きます が、何卒我慢して読んでください。お願いします。お願いします。
⑥③バスーバスでの総費用
お次は、
”登下校ともにバス”
という
最も リッチな 通学手段の総費用を求めよう。
六甲道ー国文キャンパス間の神戸市バスの所要時間は13分。
そして、ご存知の通り市バスの運賃は210円。つまり、登下校の度に210円の費用が発生する。
よって、登下校共にバス通学の場合の総費用は、
となる。
⑦④バスー徒歩での総費用
ようやく、最後の通学手段の方程式だ。
もうこの検証つかれました。
六甲道から国文キャンパスまではバス。
国文キャンパスから六甲道までは徒歩。
つまり、
”登校はバス、下校は徒歩”
という通学手段のパターンだ。
この場合、
となる。
⑧結果~最も経済的な通学手段とは~
さて・・・
ようやく・・・・
出揃った!!!!
4つの通学手段の方程式がようやく出揃った。
ここで全ての方程式を確認しよう。
交通手段 |
行きの交通手段 |
帰りの交通手段 |
方程式 |
① |
徒歩 |
徒歩 |
Y1= 1,000*60/60*X |
② |
原付 |
原付 |
Y2=1,000*12/60*X+X/10* 400+120,000
|
③ |
バス |
バス |
Y3=1,000*26/60*X+210*X*2
|
④ |
バス |
徒歩 |
Y4= 1,000*30/60*X+1,000* 13/60*X+210*X |
(Yは各交通手段の実質的費用
Xは通学日数)
前置きが本当に長くなってしまったが、
これをグラフ化すると、
4つの通学手段で最も経済的な通学手段は…
これだ!!!
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
パッと見よくわからん!
ので、再び表にしてみよう。
通学手段(登校ー下校) |
4年間の通学にかかる総費用 |
徒歩―徒歩 |
¥513,000 |
バス―徒歩 |
¥475,380 |
バス―バス |
¥437,760 |
原付ー原付 |
¥243,120 |
これを見ると、
1つ 圧倒的に安い交通手段 がある。
そう、それは・・・
ドン
ドン!
ドドン!!!
登下校ともに原付!!!!
最も経済的でない通学手段、”登下校共に徒歩”の
半分以下の費用 で
4年間大学に通うことができる のだ!
凄い、 凄いぞ、原付!
みんな大学に原付で通おう!!
(終)
今回、特定条件下の下での仮説だが最も経済的な通学手段を解明できたことに満足している。
さて余談だが、
私は4年間徒歩で通い続けた。
4年間近く下宿から大学まで
徒歩で通い続けた私の大学生活は何だったのか。
猛暑の日も極寒の日も、徒歩で通い続けた私の大学生活は何だったのか。
徒歩で大学に向かう私を猛スピードで追い去っていく原付よりも250,000円近く損していた
私の大学生活は何だったのか。
ジーザス、原付通学。
尚、本検証は経〇学部で開講される交通経済学を取り扱う授業において「良」を獲得した者が執筆している。
「時間価値の概念全く理解してないだろ」
「やり方間違いすぎてアホすぎワロタ」
など本検証に対するクレームがある場合、本記事の掲載を承諾してくださったKooBeeさんではなく、
この程度の理解しかしていない私に「良」という評価を下す過ちを犯した神戸大学経〇学部に問い合わせて頂くことを切に願う。
神戸大学 経済学部4回生 田中
<画像引用元: http://www.irasutoya.com/ >