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しまんちゅと高速バス

もらん





筆者は淡路島生まれ、淡路島育ち。生粋のしまんちゅである。この文章では、淡路島民のことを"しまんちゅ"と呼ぶことにする。現在も島から本土の大学へ通っており、移動手段は高速バス。高校も本土にあったので高速バス歴はかれこれ6年である。今回は筆者の高速バスライフについて語ろうと思う。筆者にとっては欠かせない乗り物、それが高速バス。



第1章:いんちき精神科医


私が「いんちき精神科医」と名付けていた男性について語ろうと思う。彼との出会いは高校1年生の時。毎日、高速バスにはたくさんのおじさんが乗車している。その中でも特に私の目を惹くおじさんが1人。彼はしましまのYシャツに少し色のついたメガネという、いかにも怪しげな、いんちきそうな出で立ちであった。最初見た瞬間、筆者の頭に降り注いできた単語が「いんちき精神科医」。印象があまりにもそれっぽい見た目過ぎて、勝手に心の中でそう呼ぶようになった。とはいえ、特に彼について友達と話すことはなく、むしろ今まで友達に「いんちき精神科医」の話をしたことはない。彼が毎日乗車してくるたびに「あ、いんちき精神科医や。」と思うだけでの存在。しかし、私の平凡な毎日に少し彩を添えてくれる存在でもあった。それから時が経ち、筆者は大学生に。高校三年生の終盤はほとんど学校に通ってなかったので、数か月彼を見ていなかった。そんなこんなで久しぶりに彼を目撃。しかし、様子がおかしい。そこにいたのは、しましまを脱ぎ捨て、無地のYシャツを着た穏やかな雰囲気のおじさん。そう、「いんちき精神科医」はただのおじさんとなっていたのだった。割とお気に入りだったのに・・・。めちゃくちゃ悔しい。そこで思い知らされた。諸行無常だなって。この世に変化しないものはない。もちろん「いんちき精神科医」もそうだけど、筆者自身もまた然り。中身自体は変わっていないけれど、高校生の頃の黒髪でノーメイクの私はもうここにはいない。「いんちき精神科医」も私も、時の流れにちゃんと乗っている。いとおかし。いささかさびし。



第2章:定期券


高速バスの定期券は紙をラミネートしたもので、運転手さんに見せるという制度。田舎あるあるなのかな? それゆえ、いんちきしようと思えばできるのだが、犯罪になるのでやめておく。筆者にとって紙の定期券はふつうのことだけど、たまにびっくりされるので、ちょっと「ふふんっ」と誇らしくなる。もし磁気になってしまったら寂しい。値段が全くかわいくないので、払ってくださる親には頭があがりません。だいぶ生意気だけどこれからもよろしくっす。



第3章:風のある日


風が強い日は明石海峡大橋を渡っている途中、バスがとても揺れる。時々「橋から落ちるんちゃうか。」と思って、とてもひやひやしてる。だから、もし落ちた時のために脱出プランを考えている。今のところの作戦は、落下途中に窓を開け、着水した瞬間に窓から脱出するというもの。いたってシンプル。だが問題が一つ。筆者は高速バスの窓を開けたことがないし、開け方がわからない。開け方の案内が書かれているがいまいちよくわかっていない。だから、いつか予行練習をしたいなとは思うけれどまだ実行に移せていない。人生何が起こるかわからない。それゆえ、備えておくことが大事である。重要であるのだ。



第4章:バスいっぱいすぎて乗れない


高速バスは立つことは基本禁止なので、乗車できる人数は椅子がある分だけ。大体、全員乗れるが、ごくまれに乗れない人が発生する。市バスのようにすぐに来てくれたらいいけど、高速バスだと次の便が30分後とか1時間後。乗車できないとなると確実に予定に遅れてしまうし、何もないバス停で待ち続けないといけない。筆者自身は始発から乗るので、そういうことはないけど、乗れない人は「かわいそうだな」と思う。とは言いつつも、筆者も一度だけ乗れなかった時がある。忘れもしない、2023年1月24日。明石海峡大橋は大雨では止まらないが、大雪や暴風の際は通行止めになることがある。高校生の時、一度大雪で明石海峡大橋が通行止めになるかもしれないとのことで学校から淡路島の生徒だけに帰宅令が出された。午後の授業を合法的にさぼることができたので、筆者らしまんちゅはラッキーと思ってウキウキで帰宅しようとしていた。が、現実は甘くなかった。橋が通行止めになる前に家に帰るべく、本土にいるしまんちゅが全員バスに乗ろうとする。そのためバス停には他校しまんちゅ、会社員しまんちゅ、おでかけしまんちゅが大集合。



ここがしまんちゅでいっぱいに! 冬だったし、橋の上ということでめちゃめちゃ寒い。バスが来ても人が多すぎて乗れず、乗るのに待った時間はおよそ2時間。結局家に帰ったのが学校の授業が終わる時間と同じぐらいだった。学校でみんなと一緒におとなしく授業を受けていた方が暖かくてよかったなと思ってしまった。だが、そんなことをしてしまうと橋が通行止めになってしまうので致し方ない。ちなみにその日の夜、筆者が住んでいる地域はめったに雪が積もらないが、少し積もった。ミニ雪だるまを作ったよ。




第5章:推し


推しの話をするのでこのお話は「ですます口調」でいきますね。読者の皆様は推しの運転手さんいますか? 筆者には、います。運転手さんは大体がおじさんです。ですが、私の推しはおにいさんです。そのおにいさん運転手の何がいいって、笑顔がめちゃくちゃ素敵なんです! 朝、眠いなーとか憂鬱やなーとか思いながら家を出るんですね。そんな日にお兄さん運転手が担当だったら、めちゃくちゃハッピーになるんです。バスに乗って定期券を見せると、おにいさんがおはようございますって笑顔で言ってくれるんですよ。その瞬間に朝の憂鬱が吹っ飛ぶんです。これほんとです。降りる時も「行ってらっしゃい」って、またさわやかな笑顔で・・・。きゃーーーーーーーーー! もう推しになるしかないじゃないですか! 同じバスに乗ってる友達もそのおにいさん運転手を推してて、「今日あのお兄さんやったな」とかで、毎回話に華が咲くんです。もし私がバスの運転手になったら、あんなおにいさんみたいになれたらなーってひそかに思ってます! 大学生になってからはまだ一回もお会いできていませんが、いつか会える日を楽しみにしています!あぁ推し様、堕天使筆者の一日を照らしておくれ。



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