No.121

文化を越えた繋がりを築く

朴徹雄(パクチョルン)

(ゲストハウス萬家オーナー)

Presented by Riko Mizutani,Kana Maruyama

Photo by Sarina Yoshida


神戸の中心街から少し離れた王子公園にたたずむゲストハウス萬家。そこではゲスト同士だけでなく、ゲストと地域の人の交流も大切にしているという。ゲストハウス萬家に込められた朴さんの思いに迫る。

PROFILE

朴徹雄(パクチョルン)

”萬の人が集う家、萬の人が作る家(たくさんの様々な人々が集まり、作る場所)”にしたい

-ー自己紹介をお願いします。


朴徹雄(パクチョルン)といいます。僕は韓国のソウルで生まれ育ち、大学を卒業してからワーキングホリデーで日本に来て、そのまま東京で就職しました。でも「本当にしたいことはなんだろう」とずっと考えていました。そして、僕はいろんな人種の人が交流して、繋がっている場所が好きで、そういう場所を作りたいなと思い、ゲストハウスを開くことを決めたんです。そのために会社を辞めて品川にあるゲストハウスに半年間住み込みで修行しました。そして神戸の王子公園というこの場所が好きになって、ここにゲストハウスをオープンしました。

-ーいろんな人と交流する場が好きとのことですが、何かきっかけがあったのですか?


きっかけは、高校生のときに学生交流会に参加したことです。第二外国語で日本語を勉強していたのですが、その交流会で同年代の日本人学生と交流して、すごく仲良くなったんです。それから日本に興味が湧き、大学の専攻も日本についての勉強にすることに決めました。実はその交流会に参加するまでは、日本に対する偏見があったんです。いろいろ歴史の問題もあるじゃないですか。でも実際に僕が会った日本人はとても優しい人たちばかりで、すぐに打ち解けることができました。僕だけじゃなくて、一緒に参加した友達もみんなそうだったんですよ。最後に空港で別れるときにはみんな「また会おうね」って泣いて抱き合って。そのとき、僕が持っていた偏見というのはメディアによって植え付けられたものであるということ、また国と国との問題は関係無く、実際に個人と個人が繋がって友達になれば、互いに文化が違っても、理解し合えることに気づきました。これがきっかけで、海外の方と交流できる仕事をしたいと思い始めました。違う国や地域の人同士が繋がり、友達になり、理解し合える。それが叶う場所ってどんなところだろうと考えると、ゲストハウスだったんです。

-ーゲストハウス萬家(まや)の由来を教えてください。


”萬の人が集う家、萬の人が作る家(たくさんの様々な人々が集まり、作る場所)”という意味で萬家と名付けました。まやという読み方は摩耶山にちなんでいます。僕が以前修行をしていた品川のゲストハウスが地域密着型で、ここ萬家と同じように商店街の近くにありました。そこではゲストが町へ出て行き、地元の人と交流していました。それを見て、ゲスト同士の交流はもちろん、実際に海外から来られた方が地元の人と交流するからこそ、その旅行に意味があるのではないかと考えました。せっかく日本に来たのだから、表面的な観光だけをして帰るのではなく、その地域の人と交流して繋がる。そしてその地域が好きになり、また訪れたり、次は逆にその地域の人が自分に会いに来てくれるようなことが増えればいいなという思いを込めています。

-ーどうしてこの王子公園という場所を選んだのですか?


決め手は水道筋商店街です。先ほども述べましたが、地元の人とゲストを繋げるためには地域のコミュニティが存在する場所つまり昔ながらの商店街があるところを探したんです。明石、長田、岡本、などいろいろな場所を見に行き、最後に訪れたのがこの水道筋商店街がある王子公園だったんです。直感的にここにしようと思いました。後からよく調べてみると個人経営の商店が多く、街のコミュニティも存在し、地域を盛り上げるために頑張っている人たちがいるとわかりました。僕1人で地域を巻き込んでいくのは難しいと思っていたので、ここならうまく外国人を受け入れて盛り上げていける基盤がすでにある、と思いました。また、王子公園は有名な観光地ではなく、地域により密着できる場所だと思ったのでそこも良いと思いました。


吉田 覚

(WIll Way代表)

いつまでも自分のサポーターであってほしい


加納 久慶(かのう ひさよし)

(海事科学部2回生)

”何が起こるか分からない” は ”何でも起こせる”ってこと


朴徹雄(パクチョルン)

(ゲストハウス萬家オーナー)

文化を越えた繋がりを築く


村上 加奈

()

お客さんがいて初めて”演劇”は”公演”になる


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