人は誰しも「コンプレックス」というものを多かれ少なかれ持っています。
それを受け入れ、上手に付き合っていく事は人生においてとても大切なのですが
顔のパーツが気に入らなければ整形、という風に
コンプレックスは時に自分の努力で無くすこともできます。
しかし私が持つ「青春コンプレックス」というものは、まだ現代の医学では有効な治療法が見つかっていません。
なぜ青春コンプが、厄介かと言いますと
もう二度と戻ってくる事のない時間への固執 だからです。
大学生になってから補完しようとしても無理があるのです。
どんなに沢山の人と付き合ったって、青春ごっこにしかならないのです。
僕の症状を共有しますので、青春コンプの皆さんで治療の輪を広げていきましょう。
…青春コンプの民で作る輪って地獄すぎるのでやっぱりやめましょう。
例えば、制服なびかせ自転車を二人乗りしている高校生カップルがいたとして、なぜ自分は…と思うどころか、「彼らは道路交通法57条2項に規定されている二人乗り自転車の原則禁止という法律に違反している悪い奴らだ!(早口)(涙目)」とまで思ってしまうのですね。
また飲み会の場などで話す恋バナが微塵も無く、作り話で乗り切ろうとするがそもそも青春とはなんたるかが分かっていないので作りようが無い為、詰む。といった事例もあります。
共学青春コンプ勢 の症状は 重症化のリスクが高い という研究結果も出ています。
「男子校だからさ〜」といって免罪符を振りかざすこともできません。
確かに教室に女の子は居たのですから。チャンスは幾らでも作れました。
しかし、山は目の前にあったところで登ろうとは思えませんよね。
「なぜ登るのか、そこに山があるからだ」なんてイケメンしか言えません。
イケメンたちは高尾山に登る感覚で女の子に話しかけますが、
僕達にはその所業はキリマンジャロに登る程の大きな覚悟がいるのです。
また、体育祭や普段の生活の中で青春を目撃することが多いのも共学の特徴であり、
そのような環境で育ったばかりに重症患者となるケースもあります。
ここまでは症状を紹介してきましたが、「じゃあどうすればいいんだよ、俺たちは一生苦しみ続けるのか!」と思った方、安心してください。
とっておきの方法があるのでお教えします。
それは、 「他人の青春を自分に埋め込む」 ということです。
先ほど、青春を補完する事はできないと述べましたが、この場合は違うのです。
なぜならその他人の青春自体は紛れもなく ホンモノ なのだから。
それをあたかも自分のものとして、記憶を書き換えるのです。なあに、簡単なことです。
この技術を身につければ、他人から青春エピソードを聞く度に自分の過去が美しくなっていくのです。これを 青春乞食 といいます。
しかし、自分に洗脳をかけすぎてその青春を自分のものとして他人に話してはいけません。
なぜならボロが出るから。やめておきましょう。
自分のものとしながらも、そっと胸にしまっておきましょう。
このように、青春コンプは厄介で完全に治癒することが難しいのですが、うまく付き合っていくことで症状を和らげることもできます。
ここまで書いておいて言うことではないですが、あと10年も経てば、今のこの瞬間もかけがえのない青春だったと振り返ることになると思いますので、沢山挑戦して、沢山失敗していきましょう。
そしてその青春の失敗談を肴に美味しいお酒を飲めたら、これほどの贅沢はないと思います。