cider
        

午後6時。

部活からの帰り道。
うだるような暑さの中で仲間たちと階段を登る。
汗でTシャツが背中に張り付き、リュックがずしんと重く感じる。

ああ、喉が乾いた。
皆の足が自然と向かうのは、この自動販売機。

いろとりどりの飲み物が並んでいるが、迷わずボタンを押す。

暑い日はこれに限る。

ガコンッ

プシュッ

この音だけで体感が5度は下がる。
威勢よくラッパ飲みするのがお決まり。
途端に炭酸の刺激が喉を通り、爽快感が全身に染み渡っていく。



 生き返った〜!



皆、口々に叫びながらサイダーを飲み干していく。
空になったペットボトルを手に、スカッとした顔で夏の空を見上げた。