NO.15
長ヶ原 誠
(発達科学部准教授)
「”自分に合うか、合わないか”を考える前に、いろいろチャレンジしてみてほしい」

スポーツを通して色んな人を幸せにしたい。そこに学生の上昇志向が加わることで、初めてワクワクと感動が生まれる。スポーツ、そして神大生の可能性に迫るインタビュー。
Presented by Kaori Fujiyama
Photo by Kaori Fujiyama
研究が色んな人の幸せにつながってほしい
― ご自身の研究内容について、教えてください。
「スポーツを教える」という対人的なものではなく、「スポーツに関係するお金や組織、施設などについて改善していって、みんながスポーツを楽しめるように環境を整備していく」、スポーツプロモーションという考え方があるのですが、それが自分のメインの研究テーマです。一言で言うと、スポーツバカですね(笑)
― 研究テーマを選ばれた理由は何でしょうか?
昔からずっと野球に関わってきて、自分の人生にとって 1番影響を与えてくれたものだという確信がありました。だから、スポーツを学問として学べると知った時は、「自分はそっちだろう」と思いましたね。そして、その世界に入り込んでいって「うわー、こんなに広いのか」と思いました。さらに、世界に学問の場があると聞いて、自分が苦手だった英語を勉強して、留学をして、もっといろんな世界があるということを知りました。どんどんはまっていきましたね。そういう広さを勉強させてもらいながら、今の研究テーマにたどり着きました。
― 神大生に対して、何か思われることはありますか?
私は、博士課程を修了して助手になった後、自分の力のなさに気づき、力をつけるためにカナダの大学の博士課程で4年間勉強しました。当時は「どのようにスポーツの勉強をしたらいいか」とか「いかに留学するか」とか「そのためにはどうしたらいいか」とかそういうことばかりを考えていましたね。劣等感があったから、常に上昇志向を持っていました。そこだけは自分が神戸大学の学生に勝っていると思います。様々ないい選択肢がある中で、ぐいっとくいついて、熱中して取り組むようなエネルギーをあまり感じないからです。神戸大学にはみんなが活躍できる場がたくさんあるのだから、そこに目を光らせて、もっと上昇志向になればいいのにと思います。もっと自分自身のことを考えていいんですよ。自分の実力を伸ばす場が大学ですし、そうしてくれたら教員も嬉しいです。「自分に合うか、合わないか」を考える余裕があるならば、実際にいろいろチャレンジしてみて、その中から自分に合うものを見つけてほしいです。
― 先生はマスターズ甲子園にも取り組んでいらっしゃいますが、マスターズ甲子園について説明していただきたいです。
元高校球児は、日本に約200万人いると言われています。その人達のほとんどが甲子園の土を踏めていません。マスターズ甲子園は、簡単に言うと、行けなかった人も、行けた人も、リセットして、今度は高校3年間だけのチームメイトだけじゃなくて、先輩も後輩も監督もコーチもマネージャーもみんな集めて、一丸となって、再度甲子園を目指そうという大会です。つまり、「高校野球部の同窓会チームによる甲子園を目指す大会」ですね。現在、33の都道府県で約450校が参加しています。各地で諦めのわるいおじさん達が参加しているんですよ(笑) みんな悔し涙を流していますね。
学生とOBの頑張りで成り立っています
― マスターズ甲子園の意義として、どのようなものがあるとお考えですか?
元高校球児たちが頑張って甲子園目指すことが、一体何になるかというと、現役に対する応援ですね。 自分たちが甲子園に行くだけではないんですよ。マスターズ甲子園に出場すれば、現役の高校球児たちに「俺たちも甲子園目指しているんだ、一緒に目指そう」って言うことができるし、実際に甲子園に行けたら、「やっぱり甲子園よかったよ」と後輩に伝えることができます。「自分たちが今これだけ楽しんでいるのは、あの時頑張ったからだ、一生懸命やるのは大切なんだ、だから頑張れ」というメッセージを発することができるから、マスターズ甲子園が大きくなってきたのだと思います。
― スポーツプロモーションという観点からは、どのように捉えていらっしゃいますか?
日本では、野球なら甲子園、サッカーなら国立、ラグビーなら花園といったように、スポーツごとに 1 つの場所を目指していますよね。そういうメッカという資源があるんですが、ほとんどの人が行けていません。だから、ひょっとしたら他のマスターズ○○もできるかもしれませんね。そんな風に、いろんなスポーツに応用できるのではないかという意味でも発信をしています。野球に限定するのではなく、野球を通じて、日本のスポーツ振興の可能性を探っているんです。マスターズ甲子園では、ターゲットを元高校球児にしっかり定めることによって、「I love『you』」と言うことができています。よくスポーツ振興で「みんなが大事」「誰でも」「どこでも」「いつでも」と言われるけれど、本当に口説こうと思ったら、ターゲットを絞らないと口説けないんですよ。ターゲットを絞ったものがたくさんあれば、ちゃんとインパクトのあるメッセージを発することができて、サービスも特定化したいいものを提供できると思っています。
― マスターズ甲子園に取り組んでいる神大生に対して、どのように感じていらっしゃいますか?
先ほど言ったように、マスターズ甲子園を通じてスポーツ振興の可能性を探っているわけですが、それを神大生がやっているところがすごいと思います。学生は1200万円の協賛金を集めたり、組織運営の視点を持ったり、大会のオペレーションをしたりします。人やお金を動かして、スポーツプロモーションを学生みんなが実践しています。実は、バスケやラクロスを日本に広めたのって神戸大学の学生と教員なんですよ。スポーツプロモーションに関して、神大生はいい DNA を持っているんですよね。活動していて、それを感じます。マスターズ甲子園の参加者にとっては、若い人たちが自分たちの夢を支えてくれているところに+αがあります。人って満足の上にサプライズがないと感動しないですよね。そのサプライズの部分が学生たちの頑張りなんです。すごくたくさんの学生が参加するんですが、そのパワーは本当にすごいですね。純粋に自分たちが支えたい、勉強したいと思ってやっているんですよ。そこに参加者の人も共感してくれます。
― 最後に、神大生へのメッセージをお願いします。
パブリックでもプライベートでも頑張ってください。パブリックっていうのは大学に関することです。学内の勉強はもちろんですが、様々な頑張れる場所があるので、そこで自分の可能性を試してほしいです。でも、そういうことばかりやっていると疲れるし、しかも学生なので、プライベートも命がけで頑張ってほしいですね。学年で言えば、2 年生がターニングポイントだと私は思っています。自分の経験と今までの学生のキャリアから考えると、2 年生で頑張れば、いろんなことが分かっていいじゃないかと思います。2 つ重なっているパブリックとプライベートでたくさんもまれた方がいいと思います。それが学生だと思いますよ。
64. 松村健司 井部良太
山岳部
9. 小林 由季
様々な生き方を提案するライフプランナー
71. 伊藤弘之
国際文化学部卒業後、2013年P&G Japan Sales 入社
46. 大橋 倫子
大倉山祭2014実行委員長
75. 中村 嘉孝(なかむら よしたか)
神戸大学法学部4回