No.116

優しい人が幸せになる、そんな世界を目指して

工藤柊

(NPO日本ヴィーガンコミュニティ 代表理事 )

Presented by Ayano Yasuda,Miku Sueyoshi

Photo by Misaki Yamada


「ヴィーガン」それは動物製品を使わない人のことだ。ベジタリアンは肉や魚を食べないが、ヴィーガンはそれに加えて卵、乳製品なども食べない。また、革製品は使わず動物実験を行った製品を買わない。つまり動物を犠牲にしないのだ。そんな生き方を選択した工藤さんの目指す社会とは。

PROFILE

工藤柊

「Hello Vegan!」と言える社会にしたい

-工藤さんがヴィーガンになったきっかけは何ですか。


高校生の時に何度も車に轢かれた猫を見たことが始まりです。罪のない猫が人のせいで命を落としてしまったことにショックを受けて、家に帰ってから1年間に車に轢かれて命を落とす猫の数を調べました。関連サイトをどんどん見ていくと保健所での犬や猫の殺処分数が載っているページまで辿り着きました。車に轢かれる動物や捨てられる動物はなぜ命を落とさなければならないのかと、身勝手な人間に対して怒りが湧いてきました。 でもその後、屠畜の実態が書かれてあるサイトを見てその怒りの感情が今度は自分に向いたんです。日々肉を食べている自分もペットを捨てる身勝手な人間と何ら変わりないじゃないかって。そのときにヴィーガンやベジタリアンという動物を犠牲にしない生き方を知り、こういう選択肢があるのならやろうと決めました。

-ヴィーガンになったときの周りの反応はどうでしたか?


ヴィーガンの中には、親に反対されたり友人に距離を置かれたりした人もいるんですが、僕の場合そういうことは全くなかったですね。今日から動物は食べないと親に言ったとき、じゃあ何を食べるのかと訊かれたんです。特に理由を尋ねるわけでもなく、すぐに受け入れて、「じゃあどうするの?どうすればいいの?」と対応しようとしてくれましたね。友人たちも、またなんか工藤が変なことしてるな、という感じでそれまでと変わらず接してくれました。

-ヴィーガン向けの料理を提供するカフェでアドバイザーとして活動されていらっしゃいますが、何がきっかけで始められたんですか?


これからNPO法人を立ち上げようと思っているのですが、その活動のためにはメンバーが必要で、多くのヴィーガンと出会うためにイベントを行いたかったんです。そこで、お店をイベント開催場として使わせて欲しいとお話したことがきっかけで、そのお店でアドバイザーとして活動することが決まりました。 仕事としては、ヴィーガンカフェの売上を上げるための活動を行なっています。ホームページを作ったり、イベントを開催して集客したり、何度も来店してもらえるようにスタンプカードを作ったりしています。 僕はヴィーガンになろうと思ってもなれない理由が、まず商品が少ないこと、次に飲食店が少ないこと、そして認知度や理解度が低いこと、この3つにあると考えています。お店を始める人はいるのですが、経営の知識がないからすぐに潰れてしまうことが多くて。だからお店が続くようにサポートすることで、ヴィーガンになれない理由の1つである飲食店が少ないという問題を解決していこうと考えています。

-ヴィーガンのためのNPO法人を作ろうと思ったのはなぜですか?


大学に入るまでヴィーガンの人に会ったことがなかったのですが、大学生になって初めてヴィーガンフェスというものに行って、国籍も性別も様々なたくさんのヴィーガンやベジタリアンの人に出会ったことがきっかけですね。そこで、まだ日本はヴィーガンの人たちにとっては住みにくいという話を聞いて、動物を守りたいという優しい思いからヴィーガンになった人がそのせいで辛い思いをしていることに違和感を覚えました。 この現状を変えようと思って色々調べたのですが、自分一人じゃ何もできないと思い知りました。でもそのとき、周りのヴィーガンの仲間やヴィーガンフェスで出会った同じ思いを持つ人たちのことを思い出して、一人じゃないなって気づいたんです。そこから、自分だけじゃなくてみんなが同じ方向に向かってエネルギーを使っていけば良いすごいスピードでヴィーガンの人たちが住みやすい社会に変わっていくだろうと思い、組織を作ることを決めました。


木村将徳

(神戸大学体育会軟式野球部 主将)

みんなに楽しく野球をしてもらいたい


永岡 誠

(工学部3回生)

自分の直感に素直に、今を全力でやってみる。


北山菜生

(神戸大学体育会女子タッチフットボール部Rooks主将 )

自分ができること、自分が考えられることをどんどんやっていく方が人生きっと楽しい!


柄須賀皇司/松嶋航大/加賀屋航平

(神大生を含む3人組ロックバンド the paddles)

自分たちのような若い世代に言葉を投げかけたい。


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