なんで落研に?

小中高と演劇をやっていたので演劇サークルを考えていたんですよ。それとも新しいスポーツを始めるか、アカペラ始めるか、迷ってました。最初は入るつもりなんか全然なくて、おもろいなら行ってみよう、って感じで落研の新歓に行きました。そこで落研の先輩とすごく仲良くなって、気づいたら落研に入ってましたね。活動に興味があるというよりは、ずっとここにおるの楽しいな、っていう雰囲気が入会の決め手でした。経験者0の部活でみんな初心者ですよ。

発表の場はけっこうある?

ありますね。非公式の発表の場もあれば、公式の寄席ももちろんあります。初めて人前で落語をするのは9月とかくらいです。5カ月くらい練習して1つのものをマスターしますね。まずはみんなで同じ演目をやるんですけど、そこで基本を教わります。それが合格ってなったら次は1人1人違うものを選んでやるんですがそれが完成するのが8月の末くらいです。

全国大会って?お客さんが1500人?

全国大会にはまずビデオ審査があります。それを通過すれば岐阜県で行われる全国大会に出場できます。「新婚さんいらっしゃい」とかに出てはる桂文枝さんが、「学生に落語で活躍するチャンスを与えたい。」ということで始めはったらしいです。全国大会は勝ちに行こうとは思っていなくて、単に出場者がみんな面白いので面白い人をたくさん見るために出場しました。

思い出のエピソードは?

全国大会の決勝に進出したときですね。8人が決勝に出場できるのですが、発表の順番を決めるくじが前日に行われて、私が一番を務めることになったんです。決勝の1人の制限時間は8分で、予選は6分だったので、それまでより2分長かったんです。その2分を、どうする!?って私だけじゃなくて部のみんなも悩んでくれて、その夜はみんなでお酒を飲みながらずっと考えていましたね。結局、本題に入る前の話である枕を工夫することにしました。そのおかげで最初に会場がすごいうけたんですよね。文枝さんが選んでくださる審査員特別賞をいただいたのが印象的ですね。

落語の魅力とは。

私は表現することってすごい大事だなって思ってて、正直表現できるのであれば落語じゃなくてもよかったのかなと思うんですよね。ただその中でどういう巡り合いか落語に出会い、落語という形で自分を表現することになりました。それから3年間ひとつのことに打ちこめたのはすごい良かったのかなと感じていますし、スポーツでもなんでもいいですが、なにかに打ち込んで、それで自分を表現して、誰かに受け取ってもらえるっていうのはすごいいい時間の使い方だなと思います。

なぜ神大に?

前期試験で京都大学を受けたんですよ。でもそれは落ちちゃって、後期試験で受かって神戸大学に来ました。でも本命ではなかったけれど、いざ入ってみると神大生ならではの校風・キャラクターがあって楽しいなって思っています。神大生は、自由だって言いながらもなんだかんだ根がまじめで安心できます。

大学生活で変わったこと。

本当の意味で責任を負うことが多くなりました。大学の部活はほんまに生徒自治で、自由の裏には責任があるなと感じたのが大学の部活だったかなって思います。ただ本気の自由があり、達成感が違います。

高校生にひとこと。

人との出会いとか、私にとっての落研もそうだけど、部活との出会い、大学との出会いそのものがいつも何かしらの縁かなと思っていて。ただその縁って頑張らなかったら掴めなかったものもあると思います。頑張ったから神戸大学に縁があって来ることができたと私は思えるし、そこで頑張ってなかったら全然行きたくない大学に行って、今ほど楽しくなかったかもしれない。結果論として楽しかったらそれでええんちゃうかなと思うので、とりあえず大学生になった後で、「ああ、あの時もっと頑張っていたらもっと楽しかったかもしれないな。」と思うことがないように行動してみてください。