No.111

ヨットをもっと若者たちに広めたい

山崎優太

(神戸大学体育会オフショアセーリング部部長)

Presented by Kohei Moriyama, Kenichi Yaman

Photo by Hitomi Tsuura


昨年、フランスで行われたクルーザーヨットの学生世界選手権「Student Yachting World Cup 2017」で、アジア勢初の世界一を成し遂げた神戸大学オフショアセーリング部。輝かしい成績を収める彼らのクルーザーヨットにかける情熱に迫った。

PROFILE

山崎優太

"「オフショアセーリングって、実は競技の名前ではないんですよ」 "

-オフショアセーリングとは何ですか?


実はオフショアセーリングは競技の名前ではありません。オフショアは外洋、セーリングは帆走という意味です。もともと外洋帆走同好会というサークルだったのですが、7,8年前に部活に変わって部に昇格してオフショアセーリング部という団体名になりました。オフショアセーリングは、ヨットに乗ってレースをします。ヨット部と同じじゃないかと思われるかもしれないですが、ヨット部は、1~2人用の小さめのヨットに乗るのに対して、僕らは、6~8人用のもっと大きいサイズのクルーザーヨットに乗って競技をする部活です。スタートとゴール地点に、マークという2つの印を海に打ち、全てのヨットが同時にスタートして、そのマーク間をぐるぐる回り、タイムを競います。一番の特徴は、動力源が風だけなので、天候に左右されることです。風が強くて頑張って漕いでいるときは、自転車を漕いでいるような速さで進むんですよ。風を切る感覚がめっちゃ気持ちいいです。

-普段はどういった活動をしているのですか。


練習日時や内容は決まっていないんです。部員が練習したいと思った時に、責任のある限られた船長と呼ばれる部員に許可をもらって練習しています。誰でも船を出せるわけではないんですよ。安全のためにも、免許を持っている人が許可を出すようにしています。決まった練習がなく、自分の好きなタイミングや強化したい内容に特化した、主体的で有意義な練習ができるんです。基本的にコーチがいなくて、先輩が後輩に指導します。内部だけでなく、セーリングをやっている社会人の方に指導をしていただくこともあります。

-マリンスポーツってお金がかかりますよね。


普段の活動は部費でまかなっているのですが、海外遠征に行くときは、リーダーが指示を出して、全員でいろんな会社をまわって、協賛先を探します。どうしてもマリンスポーツはお金がかかるので協賛の企業に支援をいただき、それでまかなえています。だいたい海洋関係の会社が多いですね。なかなか新規の協賛先を見つけるのは難しく大変ですが、自分たちが主体となって活動するので、達成感があります。本当にマリンスポーツはお金がかかるので、今の若者があまり簡単には挑戦できないんですよ。でも、顧問の先生もヨットをもっと若者たちに広めたいという気持ちで同好会を始められたので、部活としてもヨットをもっと広めることは一つの使命だと思っています。

-海事科学部の部員が多いとお聞きしましたが、その強みはありますか?


海事科学部ではロープの結び方や海の交通ルールなどを授業で学びます。例えば海の上では、右側通行なのですが、レース中もそれを守らないといけないので、海事科学部で学んだことが競技にも役に立っていると思います。また、施設面では大学が船を所有しており、練習場所があるので、そこが他大学にはない、一番の強みだと思います。

-オフショアセーリング部だけの魅力を教えてください。


ヨット部とは試合の形式は同じで、使うセーリングのルールも同じなんです。違うのは先ほども言った通り、船の大きさです。そのためヨット部ではペアの団結力が求められます。一方、オフショアセーリング部は6人以上でヨットに乗るので、多くの人数をまとめたりする人、指示を出す人、トラブルを伝える人など、より多くの役割があるため、もっとチームワークが大事です。それを普段の練習から意識して本番に挑んでいます。それが実際に成果として表れた時は、本当にうれしいですね。


吉田 覚

(WIll Way代表)

いつまでも自分のサポーターであってほしい


うりぼーたろう

(神大のマスコットキャラクター)

神大生が満足してくれたら嬉しい


加納 久慶(かのう ひさよし)

(海事科学部2回生)

”何が起こるか分からない” は ”何でも起こせる”ってこと


松田 涼花

(「いろはプレス」学生記者)

すごく素敵なものは現在すぐそばにある


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