NO.88
北山菜生
(神戸大学体育会女子タッチフットボール部Rooks主将 )
「自分ができること、自分が考えられることをどんどんやっていく方が人生きっと楽しい!」

今年1月、神戸大学女子タッチフットボール部”Rooks”が「全日本王座決定戦さくらボウル(以下さくらボウル)」という大会で3連覇を達成した。タッチフットとは、アメリカンフットボールからタックルを除き、その分スピートや戦術を重視した女子でも取り組みやすいスポーツのことだ。日本一のチームを引っ張りながら主将という立場さえも楽しもうとする、北山さんのパワフルな想いやリーダー観に迫る。
Presented by Naho takamochi,Honoka Kuwahara
Photo by Wako Nagasaka
一生懸命に練習しているだけでは勝てない。
― " まずは日本一、おめでとうございます。今回Rooksが三連覇を勝ち取った「さくらボウル」はどういった大会なのですか?"
「さくらボウル」とは学生の王者と社会人のクラブチームの王者が戦い、真の日本一を決める決定戦です。二つのチームはそれぞれの王者を決める大会を勝ち抜いてきています。今年は1月3日に、東京ドームで行われました。実は、それとは別に春に大きな大会があり、今年のメンバーでの日本一を一度経験していたんです。その試合で自分たちの練習は間違っていないという自信が生まれ、自分たちがやれることをやっていけば優勝できると思えるようになりましたね。
― 三連覇というプレッシャーは大きかったのではありませんか?
先輩たちが作ってくれた伝統を、私たちの代で終わらせてはいけないというプレッシャーはあったといえばあったと思います。でもプレッシャーを感じてばかりいても意味がないので、勝つことに集中するようにしていました。それでも三連覇を果たした瞬間は、正直嬉しさよりも「耐えた〜、連覇を止めなくて良かった…。」という気持ちがあふれてきたんです。その後、徐々に勝てた嬉しさが素直に込み上げてきました。主将ってチームの顔じゃないですか。『チームの負けはその年の主将の負け』だと思っていたので私の代で終わらなくてよかったとホッとしましたね。
― そうだったんですね。三連覇を目指す一年間、振り返ってみてどうですか?
一生懸命に練習してるだけでは勝てないと思っていました。部員一人一人に自分の役割があると思うんです。だからみんなに「自分には何ができるのか」ということを考えながら練習してもらうようにしていました。それぞれの意見を大事にして、みんなでチームを作っていくことを意識していましたね。学年関係なく、1回生にも思ったことがあればその時に言ってもらうようにしていました。また、みんなでチームを作るという点においては、チーム全体のミーティングが少ない分、練習後に集まりまず私が練習の振り返りを述べたあと、思ったことがある人が発言するという形で、部員一人ひとりの意見を発信する機会を設けています。あとは毎練習後に幹部の学年である3回生全員でミーティングをするんですよ。「今日のここの移動が遅かった」とか、細かいところから振り返るので終電の時間までかかることはざらにありましたね。振り返りがしんどいときもあるんですけど、やりがいはすごくあります。反省をして、次の練習でこう変えていこうってなればすぐに変えられるので。その即効性というか、自分たちの意見をすぐ反映させることができるという環境は、幹部という立場の面白いところだと思っています。
― 細かい振り返りがチームを強くしていくんですね。幹部が中心となって練習を進めているんですか?
Rooksには監督がいないので、幹部が中心となってチーム運営をしています。主将も幹部で決めているのですが、主将と副主将の全組み合わせを想定し、メリットなどを全て書き出して決めているんです。時間はかかりますが、これが代々受け継がれている決め方なんですよね。また、スローガンも毎年幹部で考えるのですが、今年は「タッチフットが好きだから自ら進んで練習に来よう、練習をたくさんして試合に勝ちたい」という主体的な気持ちを持ってほしくて『進取果敢』というスローガンにしました。三連覇に攻めの姿勢で臨んでほしいという気持ちも込めています。
しんどいことも自分がやりたいことにつながっているから頑張れる
― 主将として心がけていることはなんですか?
主将に選ばれたとき、私は同期や先輩たちよりも勝ちたいという気持ちが強いと思っていたので、勝ちに貪欲な姿勢を見せていこうと決めました。ポジション的には目立つ役割でもないので、プレーに関しては他のエースに目立ってもらおうって思っていたんです。その分、練習でも試合のときのように審判が判定を下すまでタッチし続ける、など日本一のチームとしての姿勢を伝えていきました。あとは靴を並べる、落ちてるゴミは拾う、など日常生活のことも日本一でありたいと思っていたので、口うるさく注意してきました。当たり前のことをきちんとすることが、回り回ってプレーに返ってくると考えているので。 自分のした言動がすぐチームに伝わるというのがリーダーの特徴だと思うんですよ。私が率先して勝ちに貪欲な姿勢を見せたり、日本一としての心構えを示したりするとみんなちゃんと気づいて、ついてきてくれます。そういう面では主将という肩書きに助けられたかなと思います。主将の肩書きを上手く利用していました(笑)。だから主将を重荷だとは思っていませんし、むしろその肩書きの力に感謝しているんです。 また私以外に部員が23人いて、みんなと1対1できちんと話す時間をあまり設けることができないんです。だから挨拶は絶対するとか、一日を通して何かしらの会話をしようとは思っています。毎日少しずつでも話を聞くことで、部員が悩んで爆発しないようにしていますね(笑)。
― 北山さんは前向きな方だと感じるのですが、優勝するまでにしんどかったことはなかったのですか?
どうすればいいか分からなくなって慌てるようなことはあまりないですね。慌てることなく、どうするのが一番良いか冷静に考えるようにしています。だからそんなに大変だったことを思い出せないんです。これはよく後輩にも言っていることなのですが、自分がしんどいとか大変だと思うから、キツくなるんじゃないかと思うんです。まず何のために自分は頑張っているのかって考えたら、タッチフットが上手くなりたいからじゃないかなって。しんどいことも自分がやりたいことにつながっているんだと思ったら、あまりキツく感じずに頑張れましたね。
― しんどいことをしんどいと思わない、ということですが北山さんの考え方をもう少し詳しく教えていただきたいです!
自分では『ネガティブポジティブ』と言っています。しんどいことがあっても落ち込むわけではなく、最悪な状況を考えるんです。例えば試合で負けて、連覇を止めてしまって、いろんな人に怒られて…みたいなことを想像します。そうすればそれより悪くなることは絶対にないから、結果は絶対プラスになるんです。だからツラい状況になってもあまり落ち込まず乗り越えていけるんですよね。上手くいかなくて落ち込むことは、今の自分に期待をしているからだと思うんです。「できる」って思っていたからそれが出来なかった自分を認めたくないし、ツラく、しんどくなると思います。全て終わった時に「頑張った自分ナイスファイ!」って自分を褒めてあげる、それでいいんじゃないかなって(笑)。最初にすごくネガティブな想像をしておいて、それよりも悪くなることはないから大丈夫だってポジティブな気持ちで行動する、だからネガティブポジティブ。何言ってるんやって感じですよね。造語です(笑)。
― ネガティブポジティブ。素敵な考え方ですね。では最後に神大生に一言よろしくお願いします。
タッチフットを知ってほしいっていう気持ちはありますね。やはりマイナーな競技だと思うので知ってもらうことから始めないと、と思っています。 あとはしんどいことをしんどいって思わず、今やれることを頑張ってほしいです。お互い顔も知りませんが、それぞれいろんなことを頑張っていきましょう! 最後に、みなさんはよく自分のことを嫌いって思っていませんか?でも私は自分の嫌いなところがあっても仕方ないと思っています。ネガティブになるより、自分が考えられることをどんどん考えていく、自分ができることをどんどんやっていく方が人生きっと楽しいですよ!
10. 谷岡 久美
発達科学部卒ミュージッククリエイター
86. 坂本 安弘
生協
24. 洲崎 敏伸
理学部准教授
92. 今道拓也/柴田一慶
神戸大学フットサル部主将/神戸大学フットサル部同神戦係
38. 西本 光希