NO.74
麳聖貴(こむぎ きよたか)
(エンカレッジ神戸大学支部長)
「「Why are you here?」自分と向き合う大切さを伝えたい」

就活生なら一度は耳にする、就活支援団体「エンカレッジ」。エンカレッジ神戸支部長を務めるだけでなく、地方支部の立ち上げにも積極的に関わる麳(こむぎ)さん。彼にとっての「人生のキャリアにおける納得のいく選択」とはどのようなものなのか。
Presented by Minori Takeda, Yamaguchi Tomoh
Photo by Saki Ikeda
就活での一言をきっかけに、やっと自分に向き合えました。
― エンカレッジの活動内容について、教えてください。
僕たちは「神大生にキャリア形成を通じて納得のいく選択をしてもらう」ための援助をしています。主な活動としては、学生が抱えている就活の悩みを、僕たちが面談を通して解決することですが、面談はただの入り口で、僕たちは皆さんが説明会やインターンに行き、企業に関わる機会を増やすことを目指しています。一度インターンに参加するなどの行動を起こせば、成功体験を得たり同時に反省点も見つけたりして、そこからまた工夫して進むことができる。そのサイクルが生まれることで自然とエンカレッジの掲げる「納得のいく選択」に近づいてくれるのでは、と考えています。
― なるほど、とても私たちにとってありがたい活動です(※取材者は現在就活準備期で、エンカレッジに大変お世話になっております)。麳さん(以下、こむぎさん)は3回生の夏からインターンに参加していたそうですが、それまではどのような大学生だったのですか?
1回生の頃はサークルと部活に入りましたが、大した活動もせずに辞めました。それに、家庭の事情で仕送りが一回生の夏から止まったので、学費や生活費、友達と遊ぶお金も自分で稼いでいました。バイトは色んなところを転々として、1日に2つはしごすることがザラでしたね。勉強する時間もとれず単位を取るのに必死で、1,2回生のころは「自分クズだな~」とも思っていました(笑)
― そうだったんですね……、意外です。 1回生でサークルや部活を辞めてしまったこむぎさんが、今こうしてエンカレッジの支部長として活躍するまでになったのには、何かきっかけがあったのでしょうか?
就活中のある出会いをきっかけに「自分のやりたいこと」を考えるようになりました。そこで答えを見つけたので、今エンカレッジの支部長として活動することができています。
それまでは、「自分のやりたいこと」について深く考えないまま生きていました。小中高とずっと野球をしていたのですが、それはおじいちゃんが野球好きだったからで、大学すらも学力でなんとなく決める程でした。就活も最初の頃は「自分のやりたいこと」なんて見つからないまま「自己成長」「自分の市場価値を高める」ことばかり意識していて、選考でも本当の僕を出さず「面接に受かる僕」を演じてきました。そのおかげで内定先には恵まれていたのですが、ひょんな事から4回生の5月に人材業界の会社の人事の方とお話をする機会があり、そこで僕は人生のターニングポイントを迎えることになりました。

「Why are you here?」なぜお前はここにいるのか、と問いただされましたね、英語で(笑)この言葉をきっかけに、なぜ僕は生きているのか、成長して何か成し遂げたいことでもあるのか……色々と考えるようになりました。
しばらく考えた結果、「誰もが活き活きと働くことのできる世の中にしたい」との結論にたどり着きました。仕事選びに困っている人・つらそうに働いている人の意思決定の支援をしたい、それが「自分のやりたいこと」だと気が付きましたね。今は、自分のやりたいことに基づいて、エンカレッジの支部長という立場で学生と本気で向き合えていますし、将来人材系会社に就くことに決めています。今の自分のやりたいことを見つめられたいい機会だったと今では思います。
自分を知るのに、早すぎることなんてない。
― それでは、自分の活動に向き合えている今、支部長として特に意識して活動されていることはありますか。
より多くの人にエンカレッジを利用していただきたいと思っています。去年エンカレッジを利用してくださった方の大半は「自ら動き出す神大生」だったと思っていて、でも僕たちが本当に関与しなければならないのは、「主体的に動かずなんとなく就活を始める神大生」なんですよね。その層を巻き込むためにも、僕たちは今年の目標人数を昨年の2倍以上に掲げ、次々と新しいことにチャレンジしています。やはり最終的には神大生全員にエンカレッジを通して「納得のいく選択」をしていただきたいですね。
また僕個人の活動としては、鳥取大学などの地方大学でもエンカレッジを立ち上げる取り組みに、マネージャーとして携わっています。神戸大学はなんだかんだ就活にあまり困らないのですが、地方の大学だと就活に関する情報や支援・活動が少ないせいで、「この選択『が』いい」ではなく「この選択『で』いい」という考えが浸透してしまっている気がするんです。これってすごくもったいないことだなと感じています。だから僕はエンカレッジを通してこの状況を変えて、地方の大学に就活文化を根付かせていきたいと思っています。
― 神戸大学だけでなく、地方にも赴いておられるのですね! たくさんの学生の選択の支援をされることに対するこむぎさんの思いをお聞かせください。
就職をする方に、なるべく早く就活に向き合ってほしいと思っています。よく「就活準備が早い=意識高い」という考えから、就活に対して尻込みする学生がいますが、その考えは捨てるべきですね。 自分にとって「納得のいく選択」をする上で、自分のことを考える時はいつか必ず訪れますが、それは早い方が良いに決まっています。ちなみに、行動に移せているのかどうかという意味では、意識は「高いor低い」ではなく「あるorない」で表現できると思います。むしろ「3回生から就活準備するものだ」という考えも捨てて、2回生から人生を考える機会を持つことも僕は全然問題ないと思っていますね。
― 最後に、神大生に向けて一言お願いします。
「Why are you here?」僕の就活で一番心に響いたメッセージを神大生に贈ります。自分の学生生活・人生において何がしたいのか、一度考えてみてください。それは就活だけでなく生きる上での指針にもなると思います。インタビューを通して、この言葉が僕だけのものじゃなくて色んな人に伝わると思うと、なんだか嬉しいですね(笑)
大切なのは、早く自分について考えるタイミングを設けることです。大学に入ってから就職するまでの4年間、いつ「自分について考える」か、いつ「行動に移す」か、それがポイントになるのではないかな、と思います。
案外、自分の人生を考えることは楽しいですよ。

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