NO.44
井口 翔太
(元美容師の発達科学部生)
「主体的に学ぶってこと」

美容師を辞めて神大生になった井口さん。社会に出てから学ぶことの大切さを知ることに。「主体性」と「目的意識」の2つが生きることを幸せにすると彼は考えた。
Presented by Misato Fukushima, Keita Kutsun
働くことと生きる事を繋げていきたい
― まず、自己紹介を宜しくお願いします。
発達科学部1回の井口と申します。年齢は25歳です。ざっくりと経歴を述べますと、地元の高校を卒業した後、美容の専門学校に行き、そのまま3年間美容師の仕事をしていました。しかし社会に出て仕事とか人生観についての変化があり、その後地元に帰って塾で働き始めました。そこで学びの大切さとか楽しさに気付いて、大学に入ることを決めて現在に至ります。
― なるほど。 経歴に沿って質問していきたいのですが、どうして美容師を目指されたのですか?
僕が子供の頃は、縮毛矯正とかストレートパーマとかが流行ってた時代なんですね。まっすぐがかっこいいって時代でした。けれど僕、くせ毛が強くてそれがコンプレックスだったんです。子供の頃って見た目とか直感で人が判断されちゃうものじゃないですか?だからコンプレックスを抱えていた自分にとって、見た目を変えるって仕事は直感的に魅力に感じたし、自分との結び付きもあったので興味はありました。それと、大学に行くことより、仕事をすることに感心があったということも理由のひとつです。子供の頃に教育の必要性をあまり強く感じなかったんです。よく言われることですけど、学校の教育って手段でなくて目的化されていると思っていて。公式を覚えるだけとか、必要な知識は教えてくれるけどなんでそれが必要なのかってあんまり重要視されていないですよね。だから学生時代には教育の必要性をあんまり感じられなくて、美容師として仕事をする選択をしました。
― 次に、美容師から塾での仕事を経て大学へ来た理由を教えてください。
僕は当時、ひとつひとつの繋がりを分断して考えていたんです。具体的に言うと、学校で学ぶことと働くことが繋がっていなくて、働くことと生きる事とが繋がっていなかった。そして、生きることが周りの人間と繋がっていなかった。例えば、美容師と将来、自分と家族とかそれぞれを分断して考えていたんですね。家族に関して言えば自分のことしか考えていなかった。視野が独立していたんです。社会に出て、そのような問題を認識するようになりました。認識の範囲は社会に出て広がったんです。自分の視野の狭さとか、未来へ思考が向いていないことだったり。けれど、僕にはそれらを解決する手段がなかったんです。だから学びが大切だなと。そして、働くことと生きる事を繋げていきたいと思い、社会問題に自分は関心があったので、その関心を生きることと繋げるために発達科学部に来ました。
目的を持って生きていく方が幸せになる
― 実際に大学に来て、授業などを受けてみてどうですか?
1回生のうちに、大半の大学生が大学に対して思うことって「大学の授業って面白くないよね。」だと思うんです。(笑) 僕もそれを5月くらいに感じていました。面白くないなって。なんでだろうって考えた時に、希望を大学に持ちすぎているのではないか?と気付きました。受動的に大学に何かを求めている状態です。でも、大学が導いてくれない現状がある以上、大学への付き合い方は自分で考えていかなきゃいけないんじゃないかと思うようになりました。そう思っていた中で出た答えとして、授業中に発言をしまくるってこともありますね。(笑) 主体的に学ぶってことを心がけ始めました。
― 他の1回生もそのような考えを持っていると思われますか?
その考えを持つことはとても難しいと思います。自分がそう思えているのは、モラトリアムをきっちりこなしてきたからこそなんですよね。1回生にそれを求めるのは難しい。だからきっかけとして、何のために勉強しているのかってことを考えてほしいです。単位をとる事を目的にするのではなくて、学ぶこと自体何かの目的のための手段にしてほしい。これは僕の反省としても伝えられると思うのですが、僕の場合、美容師になるということをあんまり深く考えていなかった。「何で美容師なの?」「美容師になるけど、最終どうなっていきたいの?」「家族との関係、生き方はどうしていくの?」等の思考はあまりなくて、美容師になること自体が目的となり、他との繋がりがなかったんですね。僕の場合は美容師を手段として、将来達成したい何かがあればよかったと思います。
― 最後に神大生に対して何かをメッセージをお願いします。
目的意識と主体性を持って学んでほしいってことですね。先程も言いましたが、なぜ学ぶのかってことを明らかにしてほしい。学ぶっていうことは働くにつながり、働くは生きるにつながる。主体性を欠いてしまうと、人間は他者に責任を求めてしまうと思うんです。学ぶことに対しては大学に、働くことに対しては会社に、生きることに対しては社会に責任を求めてしまう。僕はそうではなくて、目的を持って生きていく方が幸せになると思っていて、だから自分がどういう風に生きていきたいのかを大学生活を通じて明らかにしていってほしいですね。
81. 藤中良太
六甲祭実行委員会委員長
43. 乾 晃大
夜カフェ”notte”オーナー
21. 鈴木 麻里絵
thREAD代表
17. 河内 鏡太郎
文学部卒元ジャーナリスト
62. 岩渕想太
現役神大生バンド“パノラマパナマタウン”Vo&Gt