No.27

自分がこの仕事をするために生まれてきたという感覚があります。

吉原 史郎

(経営学部卒コンサルタント)

Presented by Kaori Fujiyama

Photo by Kaori Fujiyama


神戸大学経営学部を卒業し、現在はコンサルティング業に勤める。ダイアログ(対話)という話し合いの場について、あなたは知っていますか?組織活動をする上で大切な、“みんなで”理想状態を作っていくことー。

PROFILE

吉原 史郎

みんなで理想状態を作ることを大切に

-現在されているお仕事について、教えてください。


調査や研究をしながら、コンサルティングをしている会社に勤めています。私が仕事としていることは、主に2つあって、1つは会社のメンバーがよりいきいきと働いて、収益を上げやすい状態になるために、お互いが話し合ったり、学び合ったりすることができる状態を当たり前にすること。もう1つは、いわゆるコンサルティング業務で、例えば、中期計画や戦略を立て、クライアントをサポートすることです。

-以前は、違う会社に勤められていたそうですね。


この会社に就く前は、投資ファンドに勤めていました。そこでは経営状態が芳しくない旅館やホテルが、本来の力を取り戻すことで経営状況を改善する事業再生業務に携わっていました。当時26才のときに、あるホテルの総支配人をさせて頂き、ホテルの状態を、従業員みんなで良くしていこうということに没頭していました。 もちろん投資ファンドなので、投資家からは収益増加を求められますが、私は直接、数字を求めるだけではなく、「そもそも、みんな、どんなホテルにしたいのだろうか?」、「どんなホテルだったら働いていてわくわくするのだろう?」、「なぜ、みんなこのホテルで今働いているのだろう?」ということを話し合うことにも重きを置いていました。 つまり、理想状態を総支配人である私が勝手に決めてしまうと、働いている方のワクワク感を奪ってしまうことに繋がるので、みんなで、ゆっくりと作り上げていきたいということも大切にしていました。

-理想状態を作っていく上で、大切なことはなんですか?


僕が意識しているのは、次のようなことです。私達は、日常で結果に焦点を当てた会話をすることが非常に多いかと思います。ただ、行動と結果が自然と起きてくるためには、「そもそも、自分はどうして今の仕事をしているのだろうか?」や「どういったことを大切にしているのか?」といったWhy(なぜ?)を探求していくことが大切だと思っています。自分自身を探究することによって、自分の体の芯から湧き上がってくるような行動が自然と生まれてくることが多いかなと感じています。探求を進めていくと、「自分はどうしたらいいのかな?」「どうしたいのだろう?」といった状態が生まれてくることがあります。 それを下の図でいうとカオス、混沌と呼んでいます。このカオスを味わい尽くすことが重要だと感じています。カオスを越えてくると、自然と大切にしたいことや取るべき行動が顕れてきて、ビジョンやアイディアが少しずつ生まれてくることがあります。 こういう状態が生まれてくることに、総支配人として尽力していたつもりです。この状態に入ると、自然と行動が生まれてきます。ここがポイントで、この過程を省いて、先に結果を追い求めてしまうと、やらされ感のウェイトが高くなり、継続的に結果が出ないことが多かったと思います。 会社に入って日々の仕事に追われていると、多くの場合、やりたいことが何なのか、時にわからなくなってしまいます。それは、そこを問う習慣がその会社さんに無いからかもしれませんし、ご自身にそういう習慣がないからかもしれません。ただ、それがあると、ふと目的が分からなくなったときや追い詰められた状況になったときでも、自分と対話しながら、周囲のサポートにも助けられながら、直面している状況への新しい認知が生まれ、同時に、状況の改善に向けて動き出している自分がいるかもしれません。 そのため、自分自身で考えた大切にしていることや、理想の状態がイメージとしてあれば、結果的に、色々なことも乗り越えられて、その過程で、即興的で連続的な変化が生まれてくるんじゃないかなぁと考えていました。 現在は、1つでも多くの組織やチームに、このような状態が当たり前になることを願い、日々仕事をしています。


鈴木 麻里絵

(thREAD代表)

もやもやから目をそらさないでください


古森悠太

(経済学部4回生/プロ棋士四段)

自分らしい、面白い将棋を。


秦野 実(はたのみのる)

(“甘夏食堂”店主)

好きだったらなんでもやれる。


中村 匡秀

(工学部准教授)

いっぱい失敗して経験値を貯めてほしい。


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