No.20

いっぱい失敗して経験値を貯めてほしい。

中村 匡秀

(工学部准教授)

Presented by Kaori Fujiyama

Photo by Kaori Fujiyama


既存の技術を統合し、驚きを与える。驚きが学生に刺激を与え、新しい時代をつくっていく。オタクであれ!クレイジーであれ!学生目線に立つ教授が独特の言い回しで神大生への想いを語った。

PROFILE

中村 匡秀

既存の技術を統合し、ワクワクを作っています

-情報知能工学科ではどんなことをしていますか?簡単に教えてください!


Twitterや携帯、テレビ、パソコンなど、あらゆるところにソフトウェアが使われています。それを人間の頭で考えて、プログラムを書く、そんなことをやっています。いろんな物事を機械がやってくれるけれど、プログラムは自動で作ることはできない。ここは手作りなんです。僕が専攻しているソフトウェア工学というのは、分野がとても幅広いのですが、特に最近はサービス、クラウド、ホームネットワークなどに興味を持って研究しています。 ※クラウド…インターネットを介したコンピューターの利用形態のひとつ。利用者が行う作業をネットワーク上のサーバーで処理するもの。 ※ホームネットワーク…家庭内に構築したパソコンなど通信システムのLAN環境のこと。

-中村先生はどんな研究をされていますか?


日本人は一つの技術を磨くのはすごく得意で、それを洗練し、一流のものにしていくことに長けています。しかし、それを使って、面白いものやわくわくするものを創ったり、世間を驚かすようなプレゼンをしたりすることは、苦手にしているように思います。僕は、それぞれの技術は、既にいいものができているので、その既存のいい技術をいかに組み合わせて、もっとわくわくするものが作れるかということを研究しています。 初音ミクを使ったHNS(ホームネットワークシステム)だってそうです。「ホームネットワーク」、「初音ミク」、「音声を認識する技術」の3つを組み合わせることによって話題を呼ぶことができます。技術をどう連携させるか、合体させる技術をシステムインテグレーション(SI)と呼ぶんですけど、それをソフトウェアやハードウェアと統合させるために、クラウド技術やサービス技術を使って、うまいことやりましょうっていうのが今の研究です。

-(PC上のシステム言語を指して)こんなシステムを作るのは難しそうですね…。


これはシステムを作る上での、ほんの一部でしかないんです。ものづくりをしていく上で、もっと重要なことはプロジェクトを組み、みんなでコミュニケーションをとりあって意思の疎通をしたり、作ったものを誰が見てもわかるように文書にまとめたりなど、そういう部分ですね。文化祭の企画と似ているかもしれません。このようなプロジェクトを企画するという能力も必要です。お客さんがどんなプログラムを必要としているのか、聞いてきたり。そういう部分では、割と文系よりの要素もありますね。

-この先、この技術はどうなっていくと思いますか?


どうなっているでしょうねぇ…。この分野は、数学や物理、農学などに比べたら、50年ぐらいの歴史しかまだなくて、今、爆発的に広がってきていますからね。10年後には、今やってることは、陳腐化しているでしょうね。10年前なんて、スマートフォンなんてなかったし、TwitterやLINEを使っているなんて想像がつかなかったですからね…。僕らが学生の時は、10円玉をいっぱい持って、公衆電話から電話かけていましたからね(笑) 先端の話で言えば、今、スマートハウスという家をITで賢くしようという動きがあるんですけど、それを街や農業にも適応させるスマートシティ、スマートアグリというのもあります。例えば、神戸のどの辺で電気がよく使われていて、どの辺でものがよく売れているかというデータを集めることによって、より街のことが見えるようになったり。特に農業の分野は、今はお年寄りの生産者の方の経験と勘で農作物を作っているので、後継者がいなくなって技術が空洞化する危機にあるんですね。それを、畑のどこにどれだけ種を蒔いたら収穫量がいいかとか、肥料や水をどのくらいあげたらいいかなどのデータをもとにITで管理したりできるようになるかもしれない。新しい時代が来るかもしれないですね。


柄須賀皇司/松嶋航大/加賀屋航平

(神大生を含む3人組ロックバンド the paddles)

自分たちのような若い世代に言葉を投げかけたい。


YOHEI

(神大文学部卒のDJ)

趣味を持つと社会人は楽しい


岡川 鉄平

(コミュニティスペース「Museum Base」運営者)

仲間と一緒にいちから作り上げてきたこのお店にはすごく愛着がありますね


洲崎 敏伸

(理学部准教授)

何億年も前の共生によって今の私たちがあります


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