No.102

その一瞬を全力で頑張る

堀庭裕平

(空手・男子形全日本強化選手)

Presented by Jun Enomoto, Kohei Moriyama

Photo by Koki Yoshida


2020年の東京オリンピックで初めて空手が正式競技として選ばれた。今、流れに乗る空手の世界で活躍する、現役国公立大学生で唯一の全日本強化選手が神大にいる。「文武両道」を本当の意味で体現する彼の考え方に迫る。

PROFILE

堀庭裕平

常識にとらわれない選手生活

-今回、堀庭さんは空手、形競技*での全日本強化選手に選出されたということですが、その経緯を教えてください。


全日本強化選手の選考を受けるために、まず国内外の試合で成績を残す必要があって、成績を残したメンバーが集まった選考会で代表の指導者方に投票で選んでいただきます。強化選手になれるかどうかはその選考会で、他の選手よりうまく技を披露できるかで決まります。僕は今回、アンダー21という参加選手に21歳以下という年齢制限のある部と、参加選手に年齢制限のないシニアの部の両方の対象として、全日本強化選手選んでいただけました。
*空手は、組手競技と形競技に分かれており、組手競技は決められた攻撃部位に突き、蹴りを繰り出す対戦型の競技、形競技は突き・蹴りの力強さやスピードを競うと共に、「演武する形」の持つ意味への理解が求められる、技を披露する競技。

-全日本強化選手のほとんどは社会人ですよね。


組手では大学生もいらっしゃるのですが、国公立大学から選出されたのは組手・形合わせた強化選手の中で僕だけだと思うので、そこはちょっと嬉しいですね。大学生の強化選手はみなさんだいたいほとんどが強豪校の方で、社会人の方も競技に集中しやすいよう企業にサポートをしてもらっています。そんな中で僕は空手ではあまり知られていない神戸大学にいながら、強化選手に選んでいただけたのは嬉しいです。強化選手の中には世界一の選手もいらっしゃって、そんな方の技を実際に見て学ぶことができるので強化選手としての練習はすごく刺激になります。同じ強化選手として扱ってもらってますが実力の差はあって、「そこすごいなあ」と思うことばかりで、学べることは本当に多いです。

-いままでの空手の競技人生について教えてください。


空手を始めたきっかけは、武道好きの祖父の影響で、4歳のときです。それからずっとやめることなく競技を続けてきました。ですが、実は僕の出身の三国丘高校には空手部がなかったんです。中学生の時に空手の強豪校からお誘いをいただいていたのですが、知り合いの先輩もいた三国丘高校にどうしても行きたいという想いが強くて、そこに入学しました。「三国丘を受ける!」って決めたときには、絶対にそうというわけではないですけど、空手は強豪校に行かないと勝てないっていうイメージがありました。三国丘に行ったらどうせ空手部もないから練習はできないし、どうせ勉強だけの高校生活になるのかなと思っていたのですが、高校の先生が「勉強と両立して空手もどんどんやってくれたらいいよ」ってすごく応援してくれて。一年生のときに、空手部としての活動を認めてもらった直後に開催された東アジア大会で優勝して、そのまま気づけば高校も空手にどっぷりはまっていました。

-小学校からの長い空手のキャリアの中で思い出の成果や心に残ってる試合などはありますか。


インターハイの優勝と世界大会の優勝の2つです。特にインターハイの優勝はどの大会よりも嬉しかったですね。やっぱり高校は強豪校が勝つ流れがあるなかで、そうじゃない三国丘高校なんて、空手家からしたら誰も知らない。正直、「勝てないだろうな」と最初は思いながら臨んでいたんですね。1年生のときは予選で負けてしまって、「あーやっぱり厳しいな」と思いながらも、段々成績が上がっていって、3年生の最後のインターハイでは、春の選抜で負けていた大阪の選手と、もう一度決勝で戦うことになって、なんとか勝つことが出来ました。空手だけに打ち込んできた子も多い中で、勉強と並行しながら空手に取り組んできて優勝できたというのはすごく嬉しかったです。試合で泣いたのはその試合と、世界大会の2つくらいですね。


鈴木 麻里絵

(thREAD代表)

もやもやから目をそらさないでください


大橋 倫子

(大倉山祭2014実行委員長)

ありのままの医学部を知ってもらいたい


長ヶ原 誠

(発達科学部准教授)

”自分に合うか、合わないか”を考える前に、いろいろチャレンジしてみてほしい


上山裕之

(王子動物園 園長)

喜ぶ顔を見られることが最高に嬉しい


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